2016年12月25日日曜日

「文学と環境」19号

ASLE-Japan 文学・環境学会の学会誌「文学と環境」。19号はわが若き同僚・波戸岡景太さんが中心となって編集され、10月31日に刊行されました。制作も左右社となり、模様替え。

今回は「安全」という主題の特集号にするという新しい趣向で、非会員からも英語で小説を書く吉田恭子さん(立命館大学)、アメリカ文学翻訳の若き期待の星・藤井光さん(同志社大学)に、非常におもしろい文章を寄稿していただきました。ぼくは「馬と安全?」と題する短い文を。

同誌は会員からの投稿を受けつけています。広く文学と環境、われわれの生活世界への物質的まなざしに興味のある方、ぜひ入会し、本誌にも参加してください。

まちがいなく、文学研究の中でももっともおもしろく、意味のある分野です。

PACダイアローグ・シリーズ

12月23日(金・祝)。明治大学グローバルホールで、イベントを開催しました。われわれの大学院、理工学研究科新領域創造専攻「ディジタルコンテンツ系」は、2008年に開設され丸9年を経過しようとしています。これを来春から理工学研究科建築・都市学専攻「総合芸術系」に改組するにあたり、一連の記念イベントを主催しています。

総合芸術系の大きな主題が「場所、芸術、意識」。そこでPlaces, Arts, and Consciousnessの頭文字をとって、このイベントをPACシリーズと名付けました。

この日はPACダイアローグ・シリーズとして、その第1回「陣野俊史+木村元彦」、第2回「大竹昭子+宮沢章夫」を連続開催。文芸批評家の陣野さんとスポーツ・ジャーナリストの木村さんをむすぶのは越境性のスポーツであるプロ・サッカー。でも木村さんの名作『オシムの言葉』に見られるように、サッカーもまた言葉の競技でもあります。一方、作家・批評家の大竹さんと劇作家・宮沢さんは、宮沢さんの新作「子どもたちは未来のように笑う」を素材に、終始笑いの絶えないお話を展開してくださいました。どちらもきわめて充実した内容。

この対談、記録は残しませんでした。そのときその場でしか語られない、聞けない、言葉のために。こうしたイベントを、これからも開催して行きたいと考えています。

八戸で

12月17日(土)、オープンしたばかりの八戸ブックセンターで「土地と声」と題するイベントに参加しました。石田千、温又柔、木村友祐という友人たちと、第1部としてワークショップ、第2部としてこの主題で語りつくすという試み。

第1部では石田さんとぼくが組んで彼女の傑作 『家へ』の読み。また温さんと木村さんが組んで温さんのデビュー作『来福の家』の読み。いずれも参加者は12名限定、真剣に読み込んできてくださったので、活発な議論ができました。

第2部は、われわれ4人が書いてきた短い文章の朗読にはじまり、土地に即して声を発することを話し合いました。この文章を集めた冊子「土地と声」を、ブックセンターの店員で絵本作家の森花子さんがご自分の挿絵とともに作ってくれて、これを参加者に配布しました。 すばらしい出来映えです。

それにしてもこのブックセンター、注目。八戸を「本のまち」にするという小林眞市長のヴィジョンを受けて、最高のスタッフが情熱をもって取り組んでいます。全体のディレクションに関わったのが内沼晋太郎さん。そう、下北沢の本屋B&Bや福岡のRethink Booksをプロデュースし、書店の概念を一新した人です。

八戸に行くと、光の明るさと人々のやさしさに打たれます。鉄犬へテロトピア文学賞のトロフィーである鉄犬燭台の作者・木村勝一さんにも、いつもながらすっかりお世話になりました。八戸のみなさま、本当にありがとうございました!

京都で

12月11日(日)、京都のセントロ(中心街)にある立誠シネマで『あたらしい野生の地ーリワイルディング』をめぐるトーク・イベントを行いました。建築・都市・領域研究者の松田法子さん、歌手の松田美緒さんの松田シスターズと(姉妹ではないけれど)。映画が扱うオランダの土地の特性、各地での人と土地の関わりにはじまり、いろいろな話題が飛び出す、きわめておもしろい展開になりました。

南相馬の土地を扱った短篇ドキュメンタリー『水の記憶、土の記憶』(古木洋平監督)の上映をはさみ、最後は美緒さんが特別にアカペラで歌ってくださって、しめくくり。

ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。 『リワイルディング』の上映は各地でつづいています。ぜひ、どこかで、ごらんください!

2016年12月8日木曜日

連詩「見えない波α」

新しい連詩プロジェクト、開始しました。『地形と気象』とおなじく左右社のサイトにて連載。ぼく→暁方ミセイ→石田瑞穂→ゲストの順番で1巡、それをくりかえして行きます。

詩の形式は1、2、3、4、5行で計15行の構成。高まり打ち寄せる波のかたちの模倣。

ぜひ、お読みください。まずは瑞穂さんの序と、ぼくの出帆の1篇です。

http://sayusha.com/webcontents/c16

2016年12月6日火曜日

「すみか」展のために

明治大学生田図書館のギャラリー・ゼロで開催している「すみか」展のために書いた文章を、ここにご紹介します。生田付近にいらっしゃるとき、ぜひお立ち寄りください!


「すみか」について
管啓次郎

 父方の故郷、大分県南部の沿岸地帯では、海にもぐることを「すむ」といっていた。すんで、さざえやおいず(とこぶし)を採る、あるいは魚を突く。だがそもそも「すむ」とは何を意味するのだろう。海の中でぱっちりと目を開け、澄んだ視線で対象物を見ること。水の中でゆったりと海洋性哺乳動物のように動き、海水という媒質と一致してただよう。心が「澄む」とは心がおちつくことで、「住む」という行為は心も体もその場におちつき、しっくりと馴染むということだと考えればいいのだろうか。

 英語でdwellingといえば、それは「居住」という行為と「住居」という場所を同時に表す。つまり、「すむ」という行為によって開かれるのが「すみか」であり、「すまふ」という(現在進行を表す?)行為によって定まるのが「すまひ」だろう。「すむ」主体は人には限らない。あらゆる生物が、地表にすみ、すみかを打ち立てる。すみかでは、主体は周囲の環境とのあいだに密接な物質交換をおこない、痕跡を残し、記憶をつみ重ねる。そこに履歴が生じ、情緒の虹が発生する。

 われわれの社会は、その意味でいえば、二次的な虹だ。人間の経験は、与えられた空間を「場所」として徴づける。個々のわれわれは、何らかの光源を得るたびに、その場所に自分だけの虹が立ち上るのを見る。そんな虹の群れの上に、集合的な幻想のように、巨大な社会化された虹が生じている。個としての「すみか」の開拓の上に、われわれがどれほど望んでも一望におさめることのできない、大きな地平がひろがる。

 その地平はそのまま「地球」という球体に接続される。この惑星の有限性、産業革命以後の人間の活動がそれに与えてきた負荷、途方もない破壊。まともに考えれば、未来はあまり明るいものとは思えない。それでもわれわれは、一回ごとの生において、「すむ」という挑戦をやめるわけにはいかない。 “Since my baby left me, I’ve got a new place to dwell…” そう、「ハートブレイク・ホテル」でプレスリーがとっくの昔に教えてくれたように、どんな絶望もdwell という動詞を帳消しにすることはできない。きみのdwellingは、今日また新しくはじまる。

2016年12月5日月曜日

「声の氾濫」

来春からスタートする新しい大学院プログラム、建築・都市学専攻総合芸術系(PAC)のシンポジウムとして、3日(土)、明治大学アカデミーホールで、「声の氾濫」というイベントを開催しました。

ぼく、温又柔、木村友祐、姜信子。4人の作家がそれぞれ「声」を主題とする新作を朗読し、それにそれぞれが選んだ音楽家たちの音がからむという趣向。音楽家はそれぞれ、内田輝、小島敬太+伊藤豊、岡田修、渡部八太夫。

そして第2部では、中村和恵を司会として作家たちの討論会を行い、しめくくりは中村による爆笑の新作パフォーマンス。

およそ類例のない、おもしろい試みでした。文学がいかに文字中心で、声を抑圧してきたか。その声がどんなにしぶとく、裏の裏からみずからを響かせてくるか。それなりに、大きな問いを提出できたと思います。

ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました!

「すみか」展

2008年以来、明治大学生田図書館内のギャラリー・ゼロを舞台に、毎年、大学院生たちと作品および図書の展示を行ってきました。

今年のテーマは「すみか」。さまざまな「すみか」を扱いましたが、ぼくのセクションは「けもののすみか」。赤阪友昭さんがカナダのハイダ・グアイ(ハイダ族の島)および福島で撮影した写真5点に、ぼくの文章を組み合わせました。そして関連展示として、オランダのドキュメンタリー映画『あたらしい野生の地ーリワイルディング』(マルク・フェルケルク監督)のポスターと、映画からのいくつかの場面を紹介。

12月1日開幕、19日まで。見に来てください。

グアヤキルで

11月22〜25日、エクアドルの港町グアヤキルで行われたグアヤキル国際詩祭に招待参加しました。世界各国からの14名の詩人に地元の多数の詩人が加わり、連日各地で朗読会や討論。非常に活気のある、刺激的な数日をすごすことができました。

エクアドルから輸入されるバナナのすべてが、この港から積み出されます。ガラパゴス諸島への観光拠点でもあります。ぼくにとっては32年ぶりの南米大陸! いろいろな思いが頭をよぎり、非常に感慨深いものがありました。

ぼくは昨年メキシコで出版されたぼくの詩の選集 Agend'Arsから読みました。翻訳者のCristina Rascon さん、Eiko Minamiさん、ありがとうございました。ひさびさのスペイン語漬けで、もちろんディスカッションなどはボロボロでしたが、作品朗読に関しては好評。もっと長い、本格的な講演をスペイン語でできるよう、これからもっと勉強します。

この詩祭、日本の詩人の参加は初めてだそうですが、これを機に若い詩人たちに、ぜひラテンアメリカにも眼を向けてほしいと思っています。ぼくもまた遠からず、いくつかの国に行くことになりそうです。

2016年11月10日木曜日

「日本経済新聞」11月6日

6日(日)の日経新聞に、台北での北投ヘテロトピアの紹介エッセーを書きました。題して「北投異托邦!」。ぜひお読みください。

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO09149240U6A101C1BC8000/

 30年ぶりのソウル

11月5、6日、韓国ソウルの東國大學校で開催されたISLE East Asia (東アジア文学・環境シンポジウム)に参加しました。南山のそばの美しいキャンパスはすでに秋たけなわ。ぼくは古川日出男の『冬眠する熊に添い寝してごらん』と彼の近代批判、そしてリワイルディングをむすぶ発表を行いました。

ソウルは30年ぶり。地下鉄網が充実し、まったく別の大都会になっていました。今回はあまり街を見る時間がなかったので、また近いうちに訪れたいと思っています。光州や釜山にも行きたいし。

おりしも朴大統領に対する人々の批判が高まり、土曜日の夜はものすごいデモ。しかし家族連れや高校生くらいの子のグループも多く、政治風土のちがいがうかがえました。非常に興味深い国、社会です。

ドリアン助川さんと

事後報告ですが、11月3日、渋谷アップリンクでの『あたらしい野生の地 リワイルディング』の上映に際し、ドリアン助川さんと対談をしました。ドリアンさんはこの映画にもっとも強い関心を寄せてくださったひとり。さすがの話術で満員の観客のみなさんを楽しませてくれました。

ドリアンさんがこの数年とりくんでいる主題のひとつが、ファーブル。そう、あの昆虫記のファーブル先生の生涯と思想です。ファーブルとこの映画に共通する点があるとしたら、それは「よく見ること」につきるでしょう。動物たちを、よく見る。観察する。するとおのずから、宇宙のさまざまな連関が明らかになる。

そんな心がけを、ぜひこの映画からも学んでください。

2016年10月29日土曜日

『彷徨える河』上映開始!

コロンビアのシーロ・ゲーラ監督による本気の人類学映画『彷徨える河』(蛇の抱擁)。本日よりイメージ・フォーラムで上映開始です。

http://samayoerukawa.com/

ぼくはパンフレットに「映画という薬草」という文章を書いています。南米、密林、人類学的葛藤に少しでも興味のある人は、必見。

ぜひアップリンクの『あたらしい野生の地ーリワイルディング』とはしごして、頭がくらくらするほどの世界旅行の気分を味わってください。

2016年10月27日木曜日

北投ヘテロトピア

Port Bの新作「北投ヘテロトピア」(北投異托邦)が台北で10月15日から公開されています。ぼくは温又柔さんとともに、テクスト執筆で参加しました。

以下、情報です。台湾にいらっしゃるみなさん、ぜひ体験してきてください!

*****
【北投ヘテロトピア】
ついにヘテロトピアが東京を抜け出し、台湾・台北の温泉地、北投(ベイトウ)で開催されます!
北投にしか存在しない「バイクタクシー」に乗り、北投地区の7つの場所をめぐるツアー形式の作品です。訪問地でQRコードを読み取ると、土地の歴史を知り、ありえたかもしれない物語を聴くことができます。台湾国際映像展覧会 2016 TIVAへの出品作品として、2017年の1月まで体験できます。台湾にお立ち寄りの際は是非ご参加ください。

台湾国際映像展覧会「負地平線」2016 TIVA
5th Taiwan International Video Art Exhibition "Negative Horizon"
主催:鳳甲美術館

『北投ヘテロトピア』北投異托邦
会期|2016年10月15日- 2017年1月8日
参加作家|管 啓次郎、温又柔、陳又津、ワリス・ノカン
ツアー|毎日15:00から鳳甲美術館より出発(月曜は休み)
参加費|500 NTD(約1500円)
所要時間|約120分
www.twvideoart.org/tiva_16/Akira_TAKAYAMA.html

ご予約はこちらから(毎日限定5名)
docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScHBsv59b_rrLagHnBMlRcctGqBgGVuqV8PLf9tD-iWxVzs3Q/viewform?c=0&w=1
※北投は台北駅から電車で20分ほど北上した所にある温泉地です。

いよいよ公開です

ドキュメンタリー映画『あたらしい野生の地ーリワイルディング』(マルク・フェルケルク監督)、いよいよ29日(土)から渋谷のアップリンクで公開です。

今月上旬に来日した監督の出演したテレビ番組「世界一うけたい授業」でも大きな反響を呼びました。

「通販生活」WEBでは、ぼくがインタビューをうけています。
https://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/161025/?sid=top_main

毎日新聞による紹介は以下に。
http://mainichi.jp/articles/20161022/ddm/014/200/014000c

NEWSWEEK日本版、これもいい記事です。
http://www.newsweekjapan.jp/ooba/2016/10/5045.php

2016年10月20日木曜日

「読売新聞」10月15日朝刊

ボブ・ディランのノーベル文学賞を受けて、15日の「読売新聞」朝刊に短文(800字)を寄稿しました。20日現在、まだディランからの声明はないようです。しかし賞の有無にかかわらず、彼が歴史的な大詩人であることに変わりはありません。詩か歌詞か、文学か音楽かといった議論は、まったく彼を捉えそこねていると思います。

2016年10月3日月曜日

「生きとし生けるもの」展

三島、クレマチスの丘のヴァンジ彫刻庭園美術館で開催中の美術展「生きとし生けるもの」展。ぼくも参加しています。Pen Onlineに詳しい紹介が掲載されました。

http://www.pen-online.jp/feature/art/ikitoshi_ikerumono/1/

秋のいい季節、ぜひおでかけください。14人の作家の力作ぞろいです!

2016年9月21日水曜日

『レモンケーキ』の書評

「週刊朝日」9月30日号で、エイミー・ベンダー『レモンケーキの独特なさびしさ』の書評を、古川日出男さんが書いてくださいました。可能なかぎり最高にソウルフルな書評。ぜひごらんください。

「この小説は全然ファンタジーではない。もっと普遍的なものだ。僕は50歳の男性だが、読みながら「自分はアメリカ人のこの少女だったことがある」と何度も感じた。」

2016年9月16日金曜日

『あたらしい野生の地』コメント集!

映画『あたらしい野生の地 リワイルディング』に対する熱いコメント、増えています。みなさんの力をお借りして、より多くの場所で上映できますように。クラウドファンディングのご支持もよろしくおねがいします!

コメントをいただいた方々(敬称略)は現在のところ

柴田元幸(翻訳家、アメリカ文学者)
田口ランディ(作家)
吉本ばなな(作家)
鶴田真由(俳優)
港千尋(写真家、評論家)
ドリアン助川(小説家、朗読家)
結城正美(環境文学、ASLE-Japan 代表)
木村友祐(小説家)
ますむらひろし(漫画家)
小沼純一(批評家)


のみなさん。本当にありがとうございました。この顔ぶれだけで、きっときみも見たくなるでしょう?

http://rewilding.mejirofilms.com/comments

2016年9月11日日曜日

東京自由大学(9月24日)

9月24日は東京自由大学で、姜信子さんとのセッション。

http://www.t-jiyudaigaku.com/events?category=%E6%9B%B8%E7%89%A9%E3%81%A8%E7%9F%A5

姜さんと人前で話すのは初めてかな。みなさん、ぜひいらしてください!

『あたらしい野生の地 リワイルディング』

トレーラーの日本語版が公開されました。まずはごらんください。

http://eiga.com/movie/85476/video/

かっこいいパンフレットを鋭意制作中です。お楽しみに!

2016年9月9日金曜日

『The Dog Book』発売!

ぼくの新しい本、本というか48ページの冊子が完成し、発売されました。題して『The Dog Book/犬本』。世界各地で撮影した犬写真のミニアルバムに添えて、犬とのつきあいをめぐるエッセー「犬の夢を見て目覚めた朝、きみは」が収録されてい ます。発売はNOHARA。

http://www.noharabooks.jp/item.php?id=415

現在、クレマチスの丘のヴァンジ彫刻庭園美術館で開催中の展覧会「生きとし生けるもの」にぼくも写真パネルで参加していますが、ぼくの出展作品は会場での展示とこの冊子の、ふたつでひとつ。ぜひ展示を見にきてください、そしてこの冊子をお読みください。すべての犬好きな人々のために。

田口ランディさんのコメント

映画『あたらしい野生の地 リワイルディング』についての、田口ランディさんのコメントです。

*****

 もしかしたら、これは奇跡なのかもしれない。人間が放ったらかしにした干拓地、しかもオランダの首都アムステルダムから五十キロのところに、わずか四十五年で、野生の王国が出現したのだもの。
 奇跡というのは、めったに起きないことが「起こる」こと。つまり、まぎれもない現実ってことだ。捨てられた土地で新しい生命の可能性が示された。それは人間の想像を超えた想定外のことだった。考えてみよう「捨てる」ことの積極的な意味を。認識を変えたとたん、それは新しい思想になる。「リワイルディング・再野生化」はこれからの思想、何が始まるのかは未知数だ。地雷に埋め尽くされて踏み込むことのできないカンボジアのジャングルが、蝶の楽園となるかもしれない。二十世紀の愚行で人間が捨てた土地、見放した土地、それらの土地に再び野生が戻るのだとしたら、それは、母なる大地ガイアの、慈しみと許しに思える。
 起きた現実をありのままに見てください。この奇跡の土地で生きている動物たち、特に人間によって実験的に放たれた馬・コニックたちが自力で大地に適応し、闊歩する姿の美しさを。彼らの不屈の忍耐と強さによって、いかに生と死を越えた生態系が結び合わされているかを。
 疑り深い人たちのために、この映画はただ「真実」のみを撮っている。
 リワイルディングを実感したら、心はもうわくわくしてくる。
 できる限り「なにもしない」。私たちにはまだ、その道が残っていたんだ。

田口ランディ(作家)

コソヴォで

コソヴォの田舎町ラホヴェックで開催された国際詩祭に招待され、9月1日から5日まで滞在しました。一昨年にアルバニアの首都ティラナで朗読したことが、直接のきっかけ。ノルウェー、エストニア、オーストラリア、スイス、トルコ、イスラエルなどの国々から招待された詩人たちとともに、3回の朗読をこなし、コソヴォ国営テレビのインタビューも受けました。

この地方、良質の葡萄の産地で、ワイン生産で売り出そうとしているようです。秋のワインの祭りと詩の祭りを組み合わせるという発想は、スロヴェニアのプトゥイとおなじですが、プトゥイに比べるとずっと小さな集いでした。それでも詩を大切にする人々がじっと耳を傾けてくれ、夏の最後の熱の中、気持ちのいい数日でした。

いうまでもなくコソヴォは深く傷ついた土地。戦火や民族対立の爪痕は、いまもいたるところに残っています。でも人々はおだやかで親切で、子供たちのすなおなかわいさには特筆すべき印象を受けました。どういう巡り合わせか、この数年でスロヴェニアやセルビア、アルバニア、コソヴォと、バルカンの国々をずいぶん回りました。そこで開けた新しい視界については、いずれまとまった報告を。

来年もまた、スロヴェニアとアルバニアを訪れようと思っています。

クラウドファンディング、終盤です!

オランダの奇跡の自然保護区オーストファールテルスプラッセンを扱ったドキュメンタリー映画『あたらしい野生の地 リワイルディング』の全国上映のためのクラウドファンディングも、いよいよ今月末まで。金額はともかく、150人の支持者を集め、ある種の上映運動を始動させることが目的です。

https://motion-gallery.net/projects/rewilding

なぜか? 過剰な開発、天災や巨大事故でずたずたになった土地から、あえて人が手を引くことで、自然は必ずみずからを回復する。そのプロセスが見える場所を作り出すことが、現在の、そして未来の、日本列島にとって火急の課題だと考えるからです。

ぜひご協力ください。そしてぜひ、この映画をごらんください。それについて話してください。私たちの身の回りの風景を、ふりかえってください。

いろいろな方たちのコメントが、続々と集まっています。それもこれから紹介していこうと思います。よろしくお願いいたします!

2016年8月24日水曜日

「週刊朝日」2016年9月2日号

「週刊朝日」9月2日号に、グアテマラのユダヤ系作家エドゥアルド・ハルフォンの短編集『ポーランドのボクサー』(松本健二訳、白水社)の書評を書きました。ローカルな色彩と世界史的主題。傑作です。ぜひお読みください、書評も、本も!

2016年8月19日金曜日

「キネマ旬報」2016年9月号

「キネマ旬報」9月号に、『神聖なる一族24人の娘たち』(アレクセイ・フェドルチェンコ監督、2012年)の評を書きました。ロシアにおける非ロシア正教地域のマリ人の女性たちの世界を描いた、きわめておもしろい作品。9月公開です。

「キネマ旬報」に書かせていただいたのは1985年(?)の『未来世紀ブラジル』以来、31年ぶり! 一生のうちに何本の映画について何枚くらい書いたのかな、とふと思いました。四方田犬彦さんの100分の1以下でしょう。

これからはもっと映画のことを書くつもり。

2016年8月13日土曜日

12月3日、「声の氾濫」

みなさん、カレンダーの12月3日(土)にしるしをつけておいてください。この日の午後、明治大学アカデミーホール(お茶の水)で「声の氾濫」と題した画期的イベントを開催します。

温又柔、木村友祐、姜信子とぼくが、それぞれミュージシャンと組んで、1組につき30分の朗読と音楽のパフォーマンス。うちそれぞれ15分はこの日のための新作。

その第1部につづき、第2部では以上の4人が、物語と声と音楽と人々の心の歴史についての、濃密な議論を行います。司会・進行は中村和恵。そして第2部のしめくくりでは、中村和恵の新作朗読(と踊り?)を楽しんでいただきます。

2014年7月に、忘れがたい朗読劇『銀河鉄道の夜』最終ヴァージョン公演を開催した、1200名入る大ホールです。詳細は秋になってから、ポスターを制作しますが、まずはこの日、ぜひ空けておいてくださいね。

2016年8月10日水曜日

『あたらしい野生の地 リワイルディング』

映画『あたらしい野生の地 リワイルディング』の字幕の最終チェックをしています。見直して、感動を新たに。そのシネマトグラフィ(撮影)のすごさ完璧さは、他に類を見ません。震えます。

動物たちの世界とヒトの社会の関係を根本的に見直すための、きわめて重要な作品、鍵を握る作品だと、確信しています。

オランダ映画史上最大のヒット作であるこの作品を、われわれは一種の「上映運動」により日本のみなさまに見ていただこうと思っています。それは震災と原発事故後の傷ついた土地にとって、大きな意味をもつと考えているからです。

ぜひごらんください。そしてその準備を整えるためのクラウドファンディングに、ぜひ参加してください。

大スクリーンで、ご家族や友人たちのグループで、見ていただきたい作品です。なんとか公開にこぎつけるために、ご支援をおねがいいたします!

2016年7月28日木曜日

Rewilding! 『あたらしい野生の地』へ

一昨年夏からのぼくのキーワードのひとつ、rewildingの着想のもとになったドキュメンタリー映画 The New Wilderness の日本語字幕版を制作中です。この秋公開をめざして、現在、クラウドファンディングで運営資金を募っています。

https://motion-gallery.net/projects/rewilding

人が手放すとき、人が立ち入るのをやめたとき、野生の動植物はみずからの論理にしたがって生き、増えてゆく。そのとき、われわれが見たこともなかった光景が、その場に生じます。

ぜひご支援ください! 踏みにじられた列島の風景の、再生のための鍵です。

2016年7月25日月曜日

「生きとし生けるもの」展に参加しています

三島にあるクレマチスの丘のヴァンジ彫刻庭園美術館。24日、「生きとし生けるもの ALL LIVING THINGS」展がはじまりました。これはすごい。14人のアーティストの作品が、ヴァンジのかっこいい空間を埋めつくしてます。よくここまでできたなあ、と美術館の意志に感動。

観客のみなさんも、三沢厚彦さんの動物たちのでかさに笑い、橋本雅也さんの骨の花の繊細にたたずみ、おじいちゃんおばあちゃんから子供たちまで、3世代で楽しめるいい展示。お勧めします!

そして特筆すべきはカタログのよさ。一般書籍としても読みどころの多い、興味深い1冊になりました。ぼくのエッセー「動物がそこにいる」と160行の詩「ブレーメン革命」も収録されています。

ぼくの展示は、未完成の本「The Dog Book」をめぐる内容になっています。本は遠からず印刷が仕上がってくるはず、お楽しみに。展示から本作りまで、デザイナーの田部井美奈さんに全面的にお世話になってます。ありがとうございました。

さあ、春学期もほぼ終わり、本格的な夏の開始。みなさん、どこかで会いましょう!

2016年7月17日日曜日

KESEN ROCK FESTIVAL に参加して

土曜日の夜8時、Kesen Rock Festival の舞台に『銀河ロックンロール鉄道の夜』をぶじ走らせることができました。シナリオに、これまでになかった大幅な変更。まったく新しいキャラクター「鳥の 王=ロックンローラー」にアジカンの後藤さんを迎え、「鳥を捕る人」柴田さんの鬼気迫る熱演にみんな、しばし呆然としました。

日出男座長を中心=ドラムスの位置におき、その左右にギターを抱えたゴッチとケイタニー、その外側に柴田さんとぼくというV字フォーメーションはバンド感 覚にあふれ、およそ望みうる最高のステージになったと思います。舞台半ば、風が濃い夜霧を運んできて、演出かと思えるほど。賢治さんゆかりの種山高原で、 まるで賢治さんがそこに加わりたいと願っているかのように、物語は一瞬で水底に沈みました。

ぼくはこれまでの「定本」の3編の詩の2つを捨て、「きみだけの切符」を新たに書きました。ケイタニーはわれわれの「銀河」のアイデンティティともいうべ き名曲「フォークダンス」を封印し、新たな主題曲をみごとに完成させました。一昨年の完成ヴァージョンでみんなを戦慄させた柴田さんの「ラッコの上着」役もひっこめられ、そのぶん、「鳥を捕る人」が異様な高みに達しました。ここまでラディカルな変更を自分に、そしてわれわれに、課す、日出男座長の意志に戦きながら、一夜の乱入は終わりました。

いつもながら、チーム銀河の仲間たち、後藤さんおよびアジカンのスタッフのみなさん、この高原の夜に集ってくれたすべての人々に、心からの感謝を。そして忘れないでください。この劇のすべてが、2011年3月11日の、あの夜にささげられていたことを。

2016年7月16日土曜日

ASLE-Japan Newsletter #40

ASLE-Japan (文学・環境学会)ニューズレター第40号に、巻頭エッセーを書きました。題して「みやこからみずうみへ」。5月に開催した、京都府立大学・松田ゼミとの合同合宿の報告です。


巻頭エッセーを書くのも、これで最後。代表のバトンを次の方にわたします。でもこの学会がしめすエコロジカル批評の道は、これからが本番! みなさん、ぜひ参加してください。

2016年7月15日金曜日

角川文庫新刊

東田直樹『自閉症の僕が跳びはねる理由』が角川文庫から2巻本として刊行されました。解説を寄せているのは作家のデイヴィッド・ミッチェル。ミッチェルのその文を、翻訳しています。

この本、28カ国語で翻訳されているそうです。現代日本語書籍としては、村上春樹につぐ多言語訳とのこと。「自閉症」と呼ばれる人々の心の動きを知るには、必読です。

2016年7月3日日曜日

「現代詩手帖」2016年7月号

「現代詩手帖」の7月号は、吉増剛造特集、キルメン・ウリベ小特集という、恐ろしいほどの充実。そしてぼくはそれとは独立に、160行の詩「淡海へ」を掲載していただきました。ぜひ、読んでみてください。

160行詩を中心とした新しい詩集を、なんとか年内に刊行したいと思っています。なぜか、海と川と湖のイメージばかりになりました。

2016年7月2日土曜日

「水牛のように」7月号

ウェブマガジン「水牛のように」7月号に、160行の詩を書きました。題して「流域論」。タイの古都アユタヤで開催された大学院生の映像制作ワークショップ ImaginAsia 2016 の最終日の夜(6月30日の夜)、一気に書きました。

http://suigyu.com/suigyu_noyouni/2016/07/

アユタヤは周囲を川により囲まれた島ですが、この詩の「川」はアユタヤの川ではありません。それでも確実に、現実の川の近さから、刺激を受けています。ぜひお読みください。

2016年6月29日水曜日

第1期入試、まだ間に合います!

われわれの大学院プログラムは来春から「総合芸術系」の名の下に組織替え。8月1日の入試の出願受付中です。

http://pac-meiji.tumblr.com/

すべてを新しく考え直すために。ぜひ、受験してください。

ImaginAsia 2016!

2010年にはじまった大学院生の映像制作ワークショップ、それが ImaginaAsia。7年目の今年は、タイの古都アユタヤで進行中です。レギュラーメンバーである台湾の政治大学、タイのチュラロンコン大学、そして明治大学に加えて、今年はシンガポールの南洋美術大学、イングランドのバーミンガム市立大学、中国の広西大学、そして地元のプラナコン・シ・アユタヤ・ラバジャット大学が参加し、7大学共催という恐るべき展開を見せています。

このワークショップに参加するだけでも、われわれの専攻に進学する意味があると思えるほどの画期的プロジェクト。来年はきみの番です。来年から組織替えして新たに誕生する「総合芸術系」を、ぜひ受験してください!

過去の記録は、以下のサイトからどうぞ。
http://pac-meiji.tumblr.com/

2016年6月23日木曜日

7月はクレマチスの丘で!

ヴァンジ彫刻庭園美術館でのグループ展、いよいよあと1か月。テクスト執筆の最後の追い込みです。みなさん、ぜひ見にきてください!

http://all-living-things.com/

2016年6月20日月曜日

「コヨーテ歩き撮り」

勁草書房編集部のサイト「けいそうビブリオフィル」で連載中の写真アルバム、それが「コヨーテ歩き撮り」。月2回の更新です。ぜひ覗いてみてください。

http://keisobiblio.com/

2016年6月11日土曜日

「図書新聞」3259号(2016年6月18日)

「図書新聞」に木村友祐の力作『イサの氾濫』(未来社)の書評を書きました。9枚半。表題作と「埋み火」という、ふたつのノヴェーラにより、東北をめぐる日本社会の根源的な卑劣さを問おうとしています。書評も何かの参考になるとは思いますが、何よりも、ぜひこの作品をお読みください!

2016年5月30日月曜日

姜信子さん講演会

姜信子さん講演とワークショップ
「読む書く歌う旅をする」

明治大学理工学研究科新領域創造専攻・管啓次郎研究室では、作家の姜信子さんをお招きして、講演とワークショップを開催します。
関心をお持ちの方は、お誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。

日時 6月4日(土)14:00〜16:00
場所 明治大学中野キャンパス208教室
主催 明治大学理工学研究科新領域創造専攻・管啓次郎研究室 (044-934-7275)
入場無料・予約不要 (当日会場で必ず受付をお願いします)


テクスト 姜信子『声 千年先に届くほどに』(ぷねうま舎)

姜さんからのメッセージ

「中央アジアからはじまった歌の旅をたどりつつ、現在の語りの旅へと至る話をし
ようと思っているのですが、中央アジア、八重山、台湾、ハンセン病療養所とい
う孤島、済州島と話は流れていくと思います。

それは、論理で構成された<書く>から、<歌うように書く><祈るように書く>
へと、じりじりと、何度も枠を壊しては作り、作っては壊してきた、私の<読む
書く歌う旅をする>の日々の話にもなるかと思います。

そして、私のテキストを実際に歌い語るとどういうことになるのか、というのを
三味線で弾き語る祭文語りとともにやってみたいと思っています」

2016年5月27日金曜日

「みやこからみずうみへ」

5月21日〜23日にかけて、京都府立大学・松田法子研究室と合同ゼミ合宿を開催しました。

初日は叡山電鉄「修学院」駅から歩いて雲母坂を経て山道に入り、比叡山頂上。ついでそのまま反対側の門前町・坂本まで歩き、湖畔の雄琴で宿泊。

2日目は京阪「浜大津」駅からレンタカーを使い、琵琶湖の沖島、安土城考古博物館を見学して、琵琶湖北端のしずかなしずかな菅浦へ。

3日目は菅浦の集落調査から竹生島、そして近江八幡市円山地区の水郷地帯の水路で小さな舟旅を体験。

京都と琵琶湖周辺の地形・水系・交通の歴史的展開に主題をしぼった、非常に充実した旅ができました。松田研究室もぼくの研究室も学生数が少ないので、ちょうどいい感じ。参加したみんなも相互に仲良くなれて、今後のそれぞれの研究につなげられそうです。

ぼくは、きわめてタフなフィールドワーカーとしての松田さんの歩きっぷりと観察眼に、多くを学ぶことができました。 松田先生、そしてゼミ生のみなさん、ほんとうにありがとうございました!

『ヴァルター・ベンヤミンの墓標』

報告を忘れていましたが、コロンビア大学の人類学者マイケル・タウシグの著書『ヴァルター・ベンヤミンの墓標』(水声社)刊行を記念して、5月17日(火)に池袋ジュンク堂本店にて、訳者のひとり金子遊さんとの対談を行いました。

ミック・タウシグは、ぼくがいちばん親近感を覚えてきた人類学者。きわめて鋭いエッセイストで、精神的には両大戦間フランスのコレージュ・ド・ソシオロジー系の思想家たち(バタイユ、レリス、そしてベンヤミンもそこに関わっていた)に近い位置から、広範な文化批評を書いています。中欧系ユダヤ家庭を背景にもつオーストラリア人。

この晩は、満員。実際にタウシグの授業に出ていた前嵩西一馬さん(文化人類学)、柳原孝敦さん(ラテンアメリカ文学)、中村隆之さん(フランス語圏カリブ海文学)なども発言してくれて、思い出に残る集いとなりました。

同時に、いつかはタウシグ論を書かなくては、という気持ちにもなりました。ちょっとまとまった長さで。今年の後半で、それができれば、と思います。そして遠からずまたニューヨークに行き、彼にインタビューしたいと思ってます。

2016年5月24日火曜日

5月28日は下北沢に!

その刊行記念イベントを、28日(土)に下北沢のB&Bで開催します。ぼくと宮地尚子さん(精神科医、文化精神医学)の対談です。

http://bookandbeer.com/event/20160528_lemoncake/

2006年にエイミーが来日したとき、宮地さんにも会っていただき、また「すばる」での小特集にはエッセーを書いていただきました。

父親と姉が精神科医という、ある意味、典型的なユダヤ系インテリ家庭に育ったエイミーの世界に、ぼくとは別の角度から光を当ててくれることでしょう。ぜひ、いらしてください! そしてこの日、新刊書をお買い求めください。

エイミー・ベンダーの長篇

カリフォルニアの人気作家エイミー・ベンダーの長篇第2作『レモンケーキの独特なさびしさ』の翻訳が、28日に出版されます(KADOKAWA)。本当なら6年前の2010年、原著とほぼ同時に出すつもりだったのですが、2011年3月11日以後の日々、いろいろな予定がすっかり狂ってしまい、なかなか完成させられずにいました。

ロス・アンジェルスを舞台とする、少女ローズとその兄の成長の物語。というといかにもありきたりに聞こえますが、エイミーならではの知的なユーモアとさびしさ、冷徹な分析と抑制のきいた激情が、独特な世界へ誘ってくれます。

ぜひ、読んでみてください。

2016年5月10日火曜日

ニューヨークで

コロンビア大学に裏千家が寄付した基金により毎年開催されるのが「セン・レクチャー」。これまでに武満徹、司馬遼太郎、瀬戸内寂聴、桐野夏生といった人たちが招かれてきたこの一般向けの講演を、今年はぼくが担当しました。

http://www.keenecenter.org/download_files/2016_sen_lecture_waves.jpg

"Invisible Waves: Japanese Artists After March 11, 2011"と題する英語講演。大体自作朗読が40パーセント、アーティストたちの活動紹介が60パーセントで、とりあげたのは畠山直哉(写真)、高山明(演劇)、片桐功敦(華道)、岡部昌生(美術)のみなさん。この5年間のかれらの心をなぞるようにして、言葉を組み立てていきました。4月28日(木)、バーナード・カレッジのレーマン講堂にて。

ぼくは話を長い詩「かかしの神」の朗読でしめくくり、そのまま今年の3月に完成したばかりの短編ドキュメンタリー『水の記憶、土の記憶』(監督・古木洋平、制作・赤阪友昭、脚本・管啓次郎)を上映。さいわい、非常にいい反応を得ることができました。

ついで5月2日(月)には、日本におけるアート、パフォーマンス、社会詩学を主題とするシンポジウムが開催され、そこでは高山明さんのアーティスト・トークにつづいて、彼とぼくの公開対話を行いました。当然ながら、焦点となるのは「東京へテロトピア」。演劇、パフォーマンス研究者が集まり、小規模だけれど熱気のある、充実した会でした。

さらにニューヨーク市を離れて、鉄道で5時間半、ニューヨーク州中部のユティカの町へ。 5月5日にはハミルトン・カレッジでゲスト授業と講演を行い、この美しい小さなキャンパスで、楽しいひとときを過ごすことができました。

コロンビア大学にお招きくださったマリリン・アイヴィー教授(文化人類学)、ハミルトン・カレッジにお呼びいただいた大森恭子教授(比較文学)、そしてお世話になったみなさんに、心からお礼を申し上げます。

2016年4月13日水曜日

4月23日は下北沢に

チェルノブイリの原発事故から30年。福島の事故後の日々、その教訓は生かされたのでしょうか。現在の視点からチェルノブイリと福島をむすんで考える夕べを企画しました。歴史社会学者の山内明美さん、ロシア・ポーランド文学者の沼野充義さんとの鼎談です。下北沢の本屋B&Bにて。ぜひいらしてください!

http://bookandbeer.com/event/20160423_chernobyl/


 

2016年4月7日木曜日

ル・クレジオ『ラガ』

フランスのノーベル賞作家J.M.G.ル・クレジオによるヴァヌアツ旅行記『ラガ 見えない大陸への接近』の、ぼくによる翻訳が刊行されました。岩波書店より。彼の著作の中では、アメリカ先住民論である『歌の祭り』の延長上に位置する作品です。ぜひごらんください!

2016年4月6日水曜日

シアトルで

日本では年度の変わり目ですが、アメリカは学会シーズン。シアトルで開催されたAmerican Society for Environmental History の年次大会に参加しました。

ぼくは友人のアレックスが組織したセッション Post-Fukushima: Embedded Bodies in National Landscapes で発表。このセッション、以下の顔ぶれでした。

Chair and commentator: Julia Adeney Thomas (U of Notre Dame)

Alexander R. Bay (Chapman U) "Radiation Exposure and the Construction of gnorance in Fukushima"

Keijiro Suga (Meiji U) "On the Milky Way Railroad and Other Works after March 11, 2011"

William Johnston (Wesleyan U) "A Body in Fukushima"

ぼくは結局、3月に完成したばかりの古木洋平監督、赤阪友昭プロデュースの南相馬を舞台とする短編ドキュメンタリー『水の記憶、土の記憶』を上映し、言葉の部分を(まだ字幕がないので)同時通訳的にその場でナレーション。そしてわれわれの現在進行中のリワイルディング・プロジェクトとの関係を簡単に話しました。

聴衆は20人ほどでしたが、いずれも環境研究者、歴史学者ばかりで、反応は上々。古木さんのシネマトグラフィーの美しさにも感嘆の声がありました。この作品、まもなく英語版を準備する予定です。

「週刊朝日」4月15日号

「週刊朝日」に人類学者ブライン・フェイガンの『人類と家畜の世界史』(河出書房新社)の書評を書きました。犬、やぎ、羊、豚、牛、ろば、馬、らくだという8種類の動物に、いかに人間がお世話になってきたかをめぐる、きわめて興味深い本です。ごらんください。

2016年3月29日火曜日

「メキシコ大学雑誌」

ぼくの詩集スペイン語訳が「メキシコ大学雑誌」で紹介されています。翻訳はクリスティナ・ラスコンさんと南映子さん。ごらんください。この秋にはエクアドルの詩祭に招待されています。スペイン語の年になりそうです!

http://www.revistadelauniversidad.unam.mx/articulo.php?publicacion=799&art=17103&sec=Creaci%C3%B3n

2016年3月26日土曜日

音楽詩劇「星の王子さま」

金沢にある、元紡績工場を改造して作られている総合文化施設が金沢市民芸術村。ここのふたりのディレクターがそれぞれサン=テグジュペリ『星の王子さま』と芥川『地獄変』を舞台化しました。3月26、27日の両日に公演。

で、きょう26日の公演に行き、アフタートークに出演してきました。

『星の王子さま』は作曲家でフルート奏者の木埜下大祐さんの作品。原作のいくつかの場面と木埜下さんご自身のテクストを、オリヴィエ・ビルマンさんと美緑トモハルさんが読み、全編をフルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロの演奏がいろどる総合的作品で、曲の良さ、言語の大胆なコラージュ、星を表す大きな白い風船、スクリーンに投影される夜空など、強烈な印象を残します。

この原作からの引用部分に、ぼくの訳文(角川文庫)が使われ、そのご縁でご招待いただいたもの。ひさびさの金沢で、おもしろい夕べを過ごさせていただきました。

上野賢治さんによる『地獄変』のほうは、俳優、ダンサー、演奏家が集まり、これもきわめて印象的な作品。「コラボ」という安売りされがちな言葉が、まったくごまかしなくほんとうに実現されている、稀有の作品です。明日、日曜日も、この2作品の上演(14時から)。この機会に、ぜひどうぞ!

アントナン・アルトー『手先と責苦』

アントナン・アルトーが生前に構想した最後の本である『手先と責苦』。河出書房新社の「アルトー後期集成」全3冊のひとつとして2007年に刊行されるはずでしたが、諸般の事情でずっと遅れていました。この遅れはぼくの責任、深くお詫びします。

それがこのたび、完成、刊行。ぼくと大原宣久くんの共訳です。そもそも翻訳不可能な部分も多い、極端で過激な本ですが、なんとか通読できるかたちになったと思います。そして、これまでのアルトーのイメージに、少しは別の音程というか声域を加えることができたはず。

よかったらぜひ手にとって、読んでみてください。「人生」そのものに対する態度を、根源的に変えるきっかけとなるかもしれません。


アメリカ比較文学会

3月17〜20日、ハーヴァード大学で開催されたアメリカ比較文学会の年次大会に参加しました。この学会はセミナー形式で行われ、基本12人が3日間顔を合わせて交互に発表します。われわれはちょっと変則的で、13人参加、2日間で行われました。

テーマは Ecocriticism in Japan: Season 2 です。昨年につづいて、ベイツ・カレッジの和氣久明さん、金沢大学の結城正美さんとぼくがチェア。クリスティン・マランさん(ミネソタ大学)、ミミ・ロングさん(カリフォルニア大学アーヴァイン校)、ダグ・スレイメイカーさん(ケンタッキー大学)、レイ・マゴサキさん(チャップマン大学)、上野俊哉さん(和光大学)など、興味をおなじくする友人たちが集まり、楽しく実りの多い議論ができました。

ボストン/ケンブリッジは20年ぶり。ボストンはアメリカの他の大都市に比べて落ち着いた、いい街です。空港からダウンタウンまで地下鉄でわずか3駅だというのも便利。学会のあいまを縫っての散策も発見が相次ぎました。

今回の基調講演はUCLAのウルスラ・ハイザさん。エコクリティシズムの第一人者ですが、じつはぼくがはじめてこの学会に参加した1997年(メキシコのプエルト・バジャルタで開催)、初のエコクリティシズム・セッションが行われ、パトリック・マーフィーさんが組織したそれにはハイザ、ぼく、キャリー・ウルフらが参加していました。 それぞれ指導的な研究者になっているかれらに比べると、まだ入口でまごまごしている自分を反省。

でもまだ、これからです。やるべき課題は山積み。さしあたっては Rewilding の活動でしょうか。すべては山川草木鳥獣虫魚とともに。

2016年3月8日火曜日

シンポジウム「希望としてのRe-wilding」

5年目の3月11日がめぐってこようとしています。金曜日、明治大学中野キャンパスホールにて、以下のシンポジウムを開催します。

https://www.meiji.ac.jp/sst/grad/information/2015/6t5h7p00000kfenq.html

東日本大震災による大津波は、海辺の土地の景色を一変させました。そんな中にも、開発により姿を消していた植物種がよみがえるなど、自然がもつ回復力をま のあたりにする場面や、人々の営みが行われる以前の、太古の風景が帰ってきた区域もありました。また一方で、鮭の遡上や白鳥の飛来といった毎年の出来事 は、おそらく過去数千年数万年つづいてきたサイクルを、いまも変わらずくりかえしています。
震災はまた、人間社会と自然の関係を深く考え、どのような未来がありうるのかを探るための機会でもありえます。そのための手がかりのひとつと して、オランダ、アムステルダム近郊の驚くべき自然保護区オーストヴァーデルスプラッセンの例を見ながら、現在世界中で注目されているリワイルディング= 再野生化という試みについて考えてみたいと思います。
内容
1 スライドショー「福島とオランダ、二つの海辺」赤阪友昭(写真家)
2 短編映画「水の記憶、土の記憶~南相馬から」古木洋平(映画監督)
3 オランダのドキュメンタリー映画紹介 「The New Wilderness 」部分上映
4 シンポジウム「希望としてのRewilding」
赤阪友昭、古木洋平、信太美奈(音楽家)、小沼純一(批評家/早稲田大学)、
松田法子(建築史・都市史/京都府立大学)、管啓次郎(比較詩学/明治大学=司会)
日時 2016年3月11日(金)14時~16時
場所 明治大学中野キャンパス5階ホール
主催 明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻
予約不要・入場無料



「東京新聞」3月6日

おととい日曜日の「東京新聞」に、丸山健二『我ら亡きあとに津波よ来たれ』(左右社)の書評を書きました。上下2巻で1100ページを優に越える大作。波が永遠に押し寄せてくるかのようなそのページ風景に、異様なまでの迫力があります。実際に手にとってごらんになることをお勧めします。

2016年2月10日水曜日

2月14日(日)は下北沢へ!

14日の夜、下北沢B&Bで、大阪・堺市の華道家(みささぎ流家元)片桐功敦さんと対談します。片桐さんの新著、写真集『Sacrifice』をめぐって。

http://bookandbeer.com/event/20160214b_sacrifice/

東日本大震災後、彼は南相馬に移住し、失われた命への追悼の気持ちを、現地で花を生けることでかたちにしてきました。花とは人にとって何なのか。人とは命(すべての動植物の、菌類の)にとって地球にとって何なのか。

こんな根源的な問いに、少しでも近づく夕べにしたいと思っています。

一見したところロック・ミュージシャンにしか見えない家元が東京で思い切り話す、貴重な機会です。ぜひお誘い合わせの上、お出かけください。参加していただいた方には、ぼくからの特別なおみやげも、もれなくさしあげます!

2016年2月6日土曜日

マパ・テアトロの活動

告知がおくれました。本日、芸術公社主催のイベントにゲストとして参加します。

http://lecture-performance.com/performance_vol1.php

レクチャー・パフォーマンスの話し手は、コロンビアの首都ボゴタで活動している劇団マパ・テアトロを主宰するロルフ・アブデルハルデンさん。ぼくはレクチャー後の対話の相手ですが、スラム街の解体にはじまる都市開発のプロセスを5年にわたって追ったドキュメンタリーの手法は、Port Bの「東京ヘテロトピア」とも呼応するところがあります。

ぜひいらしてください。

2016年2月4日木曜日

「すばる」2016年3月号

昨秋、明治大学中野キャンパスで開催されたシンポジウム「SPINNING BARTHES 100歳のロラン・バルト」の記録が、「すばる」3月号に掲載されました。発表者15名全員からの寄稿です。かなりクレイジーでおもしろい内容。ぜひごらんください。

2016年2月2日火曜日

ドリアン助川さん

ドリアンさんの新作が出版されました。2001年9月11日、その日のニューヨークの物語。お勧めします!

「世界は、戦死を免れた者たちの子孫で創られている。死んでしまった者たちは、続くはずだった無数の命を等しく失うのだ。」(『あなたという国』、新潮社)

そして2月

速い、速い。2月の幕開けはわれらが古川日出男の読売文学賞受賞という報せでした。本当にうれしいことです。いまは平家物語の現代語訳にとりくんでいる古川さんですが、受賞作『女たち三百人の裏切りの書』(新潮社)は源氏の世界。この1000年の日本列島を相対化する試みに、これからも注目しましょう!

ぼくはぼくで、赤阪友昭さん、小木洋平さんと南相馬で短編ドキュメンタリーを撮影中。この土地の水と土をめぐる、これもまた気持ちとしては1000年、1万年を視野に入れたものです。これとオランダのrewildingをむすびつけるのが、大きな仕事。

さあ、今月もお元気で!

2016年1月28日木曜日

温又柔さんと

16日の星野博美さんとの対談は、おかげさまで超満員。キリシタンの歴史、東西交渉史をたどりながら、最後には星野さんによるリュート演奏を、みんなで楽しませていただきました。驚くほど美しい音色のかわいい楽器で、星野さんにいわせれば「かぶとがに」みたいだとか。

さて、それから2週間も経ちませんが、おなじ下北沢の本屋B&Bで、明日は温又柔さんの瞠目の一冊、『台湾生まれ日本語育ち』(白水社)をめぐる対談です。国とは何、国語とは何。言葉が人をしばるものではなく、人を自由にするものとなるために必要なものは。

温さんの心のさまよいと真摯な思索とでっかい笑顔の軌跡を、みなさんとともに探ってみたいと思います。では、明日の夜20時に!

2016年1月16日土曜日

星野博美さんと

下北沢の本屋B&Bでの星野博美さんとの対談、今夜です。

http://bookandbeer.com/event/20160116_suisei/

星野さんの新著『みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記』(文藝春秋)刊行記念。キリシタンの歴史にみちびかれ、やがてはバスクへ、バレンシアへ。 現代日本最高の紀行作家のひとりが、なぜリュート演奏にとりくむようになったか、その秘密を知りたい人はぜひどうぞ!

リュートの響きを、実際に体験できるかもしれません。

2016年1月15日金曜日

「青春と読書」2016年2月号

上岡伸雄さんの新著は『テロと文学 9・11後のアメリカと世界』(集英社新書)。国家と社会が狂えば狂うほど、文学に賭けられたものは大きく、切実になってきます。アメリカ文学の心ある作家たちが、いま何と戦おうとしているのか。その最前線を教えてくれる好著です。

ぼくは集英社「青春と読書」に、短い評を書きました。ぜひ読んでみてね。

2016年1月14日木曜日

B&Bで

下北沢の書店 B&Bで、1、2月は3つのイベントに参加します。

1月16日(土) 星野博美さんとの対談
1月29日(金) 温又柔さんとの対談
2月14日(日) 片桐功敦さんとの対談

いずれも、みなさんそれぞれの会心の新著をめぐって。たまたまぼくがお相手を務めることになりました。3人の尊敬する友人たちとの夕べ。ぜひこのうちの1つ、2つ、3つに、いらしてください!

「三田文学」124号

「三田文学」の2016年冬の号、昨年の国際メルヴィル学会におけるカレン・テイ・ヤマシタさんの基調講演「わが名はイシマル」と、ぼく、牧野理英さん、今福龍太さんからの応答が、日本語訳で掲載されています。

この号、巻頭の小野正嗣さんのエッセーをはじめ、読みどころ多し。ぜひ手にとってみてください。

2016年1月4日月曜日

年頭のご挨拶(ASLE-Japan)

ASLE-Japan 文学・環境学会のための年頭のご挨拶を転載します。

われれはどこから来たのか、何者なのか、どこに行くのか? ポール・ゴーギャンが畢生の大作のタイトルとして選んだこの言葉に、人文学一般の課題が凝縮されているように思います。そして人が人と地球世界を考えるにあたっての多岐にわたる関心が総合されるのは、やはり文学という想像力の実験場でのことではないでしょうか。

想像力の問いは、現実の社会を相対化し、私たちの判断に直接の影響をおよぼします。その意味で、文学研究はつねにクリティカルであり、アクチュアルであるという運命をまぬかれることはできません。それはさらに必然的に、さまざまな分野における想像力のかたちそのものを、深く問いなおす機会をも提供することでしょう。

「近現代」(モダン)と呼ばれる時代を支配してきた論理は、くりかえしその破綻をあらわにしながら、今日もみずからを延命させ、社会を実際に作っています。われわれがとりくむ、人間世界と環境、つまりは非=人間世界とのインターフェイスを、個々の人生の位置から考えなおすという立場は、「近現代」を規定してきた想像力・美意識・倫理の輪郭の全体を問題にすることにならざるをえないでしょう。

文学研究を経て、広大な環境人文学へ、そして個々のわれわれの生きる土地、暮らしの場へ。そんな往復運動に根ざした思考と生き方のスタイルを作り出すこと自体、ASLE-Japanという小さな集合体の、ささやかで本質的な目標だと思います。

みなさま、明けましておめでとうございます。今年もよい経験を、思考を、研究を。また、何度でも、どこででも、言葉をかわしましょう。



2016年1月1日
ASLE-Japan 代表
管啓次郎

2016年1月2日土曜日

2016年に迷いこんで

みなさま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

で、今年も元旦から仕事です。 2016年上半期に確実に出る本は

翻訳として

アントナン・アルトー『手先と責苦』(大原宣久との共訳、河出書房新社)
J・M・G・ルクレジオ『ラガ』(岩波書店)
エイミー・ベンダー『レモンケーキの独特なさびしさ』(角川書店)

グリッサン『第4世紀』は、もう少しだけお待ちください。

そしてぼくの以前の本3冊の新版が左右社から。

『トロピカル・ゴシップ』(青土社、1998年)
『コヨーテ読書』(青土社、2003年)
『オムニフォン <世界の響き>の詩学』(岩波書店、2005年)

この3冊、いずれもぼくの大好きな漫画家、スージー甘金先生の表紙絵! ぼくの大好きな装幀家、ミルキィ・イソベさんの装幀! そしてそれぞれ、ここではヒミツにしておきますが、最高の顔ぶれに序文を書いていただけることになりました。お楽しみに。

これ以外にも2、3冊の翻訳、また自分の詩集をまとめられればと思います。あと364日のうちに。できるかどうかわかりませんが、のんびり進めていくつもりです。