Friday 25 September 2015

秋学期のゼミ

秋学期が始まり、また慌ただしい毎日です。

大学院ゼミでは、以下の本を順次とりあげることにしました。修士1年の学生の関心に沿ったものですが、全体としてみて、研究室の方向性をおのずから反映しています。

興味がある人はいつでも見学に来てください!なお10月第2週は「山形国際ドキュメンタリー映画祭」のためお休み。また11月7日のバルト・シンポジウムのため、バルトの著作はエクストラの教材です。

ティム・インゴルド『ラインズ』(左右社)=前期からの続き、まとめ 
赤坂憲雄『東北学/忘れられた東北』(講談社学術文庫)
村井吉敬『インドネシア・スンダ世界に暮らす』(岩波現代新書)
グレゴリー・ガリー『宮澤賢治とディープ・エコロジー』(平凡社ライブラリー)
想田和弘『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』(岩波ブックレット)
想田和弘『カメラを持て、町へ出よう』(集英社インターナショナル)
姜信子『声 千年先に届くほどに』(ぷねうま舎)

Monday 21 September 2015

SPINNING BARTHES

「SPINNING BARTHES 100歳のロラン・バルト」

明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻では、フランスの批評家ロラン・バルト (1915-1980) をめぐる公開シンポジウムを開催します。予約不要、参加無料。お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。


【日時】2015年11月7日(土)12:20~17:30
【会場】明治大学中野キャンパス5階ホール
【主催】明治大学理工学研究科 新領域創造専攻

【フォーマット】ひとり15分のショート・プレゼンテーション。ロラン・バルトの著作1冊を選び、発表者自身の現在の立場から、自由に論じます。バルトが試みたさまざまな冒険を、現代に再生させるための道を探ります。

【発表者】(全15名)
上野俊哉 (和光大学) 
温又柔  (小説家)
倉石信乃 (明治大学)
鞍田崇  (明治大学)
小沼純一 (早稲田大学)
小林昌廣 (情報科学芸術大学院大学)
清水知子 (筑波大学)
陣野俊史 (文芸批評家)
管啓次郎 (明治大学)
谷口亜沙子(獨協大学)
根本美作子(明治大学)
波戸岡景太(明治大学)
林立騎  (演劇研究者)
松田法子 (京都府立大学)
柳原孝敦 (東京大学)

【時間進行】
12:00 開場
12:20 司会者による進行説明
12:30~13:45 セット1(5名)
14:00~15:15 セット2(5名)
15:45~17:00 セット3(5名)
17:00~17:30 オーディエンスとの対話
17:45 終了・撤収


【連絡先】明治大学理工学部批評理論研究室 管啓次郎 (044-934-7275)

Sunday 20 September 2015

「週刊読書人」9月18日号

「週刊読書人」9月18日号に、姜信子『声 千年先に届くほどに』(ぷねうま舎)の書評を書きました。彼女の強靭な精神への入門として最適の本かも。今学期はゼミの課題図書にもしたいと思っています。

Monday 7 September 2015

「花椿」10月号

「花椿」10月号はサイエンス特集。毎号巻頭に現代詩の新作が掲載されますが、この号ではぼくが30行の詩を書きました。題して「La ciencia en flores」、「花によって語る/構成する科学」みたいな気持ちです。どこかで「花椿」を見かけたら、ぜひお読みください!

「旅ラボ」第5回!

リサーチ型のアート・プロジェクト「旅するリサーチ・ライブラリー」は成果物をポッドキャスティングによるラジオ番組として発表しています。

第5回はぼくも参加した北海道編! かれらに誘っていただいて同行した北海道の2泊3日の旅のかけらが、 声の記録として残されました。

46分ほど。おひまなときに、さらりと聴いてみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=48AMXR_qRHE

Sunday 6 September 2015

エコクリティシズムのために

ASLE-Japan 文学・環境学会ホームページに、エコクリティシズムを学べる大学院情報が掲載されました。

http://www.asle-japan.org/about-us/%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%82%92%E5%AD%A6%E3%81%B9%E3%82%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6-%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2/

ぼくの研究室は理工学研究科<新領域創造>専攻ですが、理系のみならず、文系・芸術系の全ジャンルから進学できます。主題は自由。自由そのものが主題。論文執筆だけでなく、作品制作(映像、写真、美術、アート・プロジェクト、文芸創作)でも修士号を取得できます。

エコクリティシズムとは「環境批評」ですが、要するに人間社会と自然との関係を全面的に問い直すための、思考の冒険。文学、哲学、人類学、生物学、地理学、すべてのジャンルを横断しつつ考えを紡いでゆきます。

興味がある人は、いつでもゼミ見学に来てください!  ゼミは毎週木曜日、明治大学中野キャンパスです。

Saturday 5 September 2015

「旅ラボ」と北海道へ

9月1日〜3日、「旅するリサーチ・ラボラトリー」のみなさんと一緒に、札幌から羅臼への旅を決行。このラボラトリーはアーティストの下道基行、Mamoru、山崎阿弥、丸山晶崇のみなさんによる「リサーチャーをリサーチする」アート・プロジェクトで、各地でいろいろな分野の研究者のみなさんのお話を聞きながら、旅について、歌について、考えるというもの。

何より、この顔ぶれ(+アシスタントの平石くん)が生み出すケミストリーが絶妙。1台の車に乗って長い距離を走るその時間が、発想と刺激と笑いにみちた、旅の時となります。

三重から出発してずっと北上してきたかれらと合流して、札幌では北大の工藤岳さん(植物生態学)と野幌の森を歩き、伊庭靖弘さん(古生物学)の研究室を訪ねました。 ソウルフルなふたりの自然科学者に、目を開かれっぱなし。

その晩のうちに阿寒湖まで走り、翌朝、羅臼へ。ここでも驚くべき遭遇が。海岸のひぐま! 川岸のしまふくろう! さらには羅臼町郷土歴史資料館の充実ぶりに目をみはりました。案内していただいた涌坂周一さん(考古学)のすごさに感嘆。しかし、詳細は旅ラボ制作のポッドキャストにまかせたほうがよさそうです(下記リンクは第4回。北海道篇はそれにつづくはず)。

https://www.youtube.com/watch?v=cliySYxANFM

北海道の、そしてその名以前からつづくアイヌモシリの、広大な美しさとゆたかさにふれた旅でした。旅ラボのみなさん、そして羅臼でお世話になった元ゼミ生の中村絵美ちゃん、ほんとうにありがとうございました。