2015年12月28日月曜日

あと3日

今年もあと3日。ゲラとゲラとゲラと書きかけの論文2本と訳しかけの小説をおともに机にむかったまま、そっと新しい年にむかいます。例によって年賀状1枚も書かないけれど、みなさま、よいお年を。

月ごとのまとめ

JAN  カリフォルニア講演 (UCLA, USC)
FEB ボルドー、勝手に調査
MAR 『ほんとうのうた』レキシントン上映、コロラド、メイン
APR 東京ジャーミィでのヘテロトピア・イベント
MAY UCLAシンポジウム
JUN ImaginAsia 2015 (太魯閣にて)
JUL 『ほんとうのうた』東北上映
AUG オランダ調査、ASLE-Japan 全国大会(小諸)
SEP 「旅するリサーチラボラトリー」でヒグマ目撃、浪江と双葉
OCT 山形国際ドキュメンタリー映画祭
NOV 「100歳のバルト」、南相馬市博物館フォーラム
DEC キルメン・ウリベとの朗読会、銀鏡神楽、松田ゼミ訪問


この他にもいろいろ。詩集を出せなかったけど、それは来年の課題とします。

2015年12月24日木曜日

"Small, Good Things"

朗読劇『銀河鉄道の夜』のチームから、みなさまに小さな贈りものです。

http://milkyway-railway.com/smallgoodthings/

よいお年を。

2015年12月20日日曜日

大学院特別講義のお報せ(12月21日)

明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻では、映画監督の澤田サンダーさんによる特別講義を実施いたします。

講師 澤田サンダー(映画監督)
題名 近作をめぐって 「私は知ってる、私は知らない」(2013)および「ECHO」(2015) 上映とディスカッション
日時 12月21日(月)19時〜21時
場所 明治大学中野キャンパス7階 映像室

外部からの聴講も認めます。参加希望の方は18時50分に明治大学中野キャンパス7階のフロア中央ラウンジ部分に集合してください。上映開始後の入室は認めませんので遅刻厳禁でお願いいたします。

2015年12月19日土曜日

いとうせいこう『存在しない小説』

講談社文庫の新刊、いとうせいこう編『存在しない小説』に解説を書きました。題して「ペソア・プロジェクト、あるいは他人として夢を見ること」、約20枚です。非常に、非常におもしろい小説であり、世界文学論でもあるこの作品。いとうさんの才能に唸りました。この冬休みに、お勧めします!

2015年12月5日土曜日

「現代詩手帖」12月号

「現代詩手帖」12月号は、恒例の「現代詩年鑑2016」。ぼくが「花椿」に発表した「La ciencia en flores」も再録されています。また今年の収穫のアンケートにも答えました。映画のことばかり。ともあれ、ごらんいただければさいわいです。

「風景の外へ」はじまりました

明治大学生田図書館のギャラリー・ゼロを舞台として毎年この時期に行っている、研究室としての作品と図書の展示。今年も倉石信乃研究室との合同で、「風景の外へ」と題して本日開幕です。1月13日まで。

お近くにお越しの方は、ぜひお立ち寄りください。9人の作品と、それぞれが選書した風景を考えるための図書が展示されています。

また12月20日(日)の15:00〜16:30には、朗読会と音楽の集いを開催します。出演は倉石さんとぼく、暁方ミセイさん、畠山葵さん、そして農学部のフランス語の先生である高瀬智子さん。スペシャルゲストとして某シンガーソングライターも!

これはいわばわれわれの冬至祭。よろしくお願いいたします。


2015年12月4日金曜日

笠間悠貴・写真展「metaphors」

新領域創造専攻博士後期課程の笠間くんの新作展です。新宿のphotographers' gallery にて、10日から。想像をはるかに超えて、いい写真です。ぜひごらんください。

http://pg-web.net/exhibition/yuki-kasama-metaphors/

朗読会「冬の小鳥たち」

12月6日、新宿のカフェ・ラバンデリアで、詩の朗読会を開催します。題して「冬の小鳥たち」。バスク語の現代文学を代表するのみならず、世界文学の最重要作家のひとりになりつつあるキルメン・ウリベとぼくが、バスク語、日本語、スペイン語で読みます。二人のミュージシャンとの即興による競演。これは相当、画期的な試みです。ぜひいらしてください!

http://cafelavanderia.blogspot.jp/

2015年12月3日木曜日

南相馬で

11月29日(日)、南相馬市博物館で開催中の花道みささぎ流家元・片桐功敦さんの個展「Sacrifice」に合わせて、「希望としてのRe-wilding」という鼎談に参加しました。

https://www.minpo.jp/news/detail/2015113027070

片桐さん、ぼくと、民俗学者の赤坂憲雄さん。そこに写真家の赤阪友昭さんも参加してくれて、短いながらも充実した話になったと思います。

ぼくはアラスカ、ジュノー郊外の風景と、オランダの干拓地オーストヴァデルスプラッセンの話をし、それを福島県沿岸部とむすびつけることを試みました。

土地をありのままの姿に戻すこと、人間社会が自己縮小し、他の生物種に場所を譲ること、その大切さ。これからさらに考えていきたいと思います。

2015年12月1日火曜日

西南学院大学「十二会」のみんなと

11月22日(日)は、初めての福岡。空港からダウンタウンまでわずか5分という距離の短さにびっくり。ここで10年にわたって開かれてきた本のイベント、ブックオカの最終行事として、西南学院大学の学生が作っている翻訳世界文学の読書会「十二会」のみなさんとぼくとのディスカッションを、書店キューブリックで行いました。

ぼくの著書『本は読めないものだから心配するな』(左右社)を読んでくれたかれらと、読書とはどういう行為か、何をどう読むか、この世界をどう想像するかなど、さまざまな主題について語り合いました。短いけれど充実した時間。

打ち上げにはキューブリックの大井さんや西南学院大の田村先生など、福岡を活気づけているみなさんと、名物の胡麻鯖をいただきました。 この読書会、選書のセンスがすごくいい。欧米中心主義にきっぱり決別し、いわゆる「第3世界」文学を丁寧に読み、さらにそれを水俣を初めとする日本の問題にむすびつけてゆきます。

知ることはおもしろい、おもしろいから読む、読んだから語り合う、語り合うからさらにその先をめざす。そんな読書の流れが、きちんとかたちをなしていきます。また、これからも、一緒に読んでいきましょう!


2015年11月28日土曜日

アカデミズムとパフォーマンスのあいだで

11月21日(土)、東大文学部の集英社寄付講座として「アカデミズムとパフォーマンスのあいだで」と題する授業(?)を行いました。ホストは柴田元幸さん。

フランス文学者の岩切正一郎さんとぼくが半々で担当。しかも岩切さんにはゲストとして女優の那須佐代子さん、ぼくには小島ケイタニーラブがつき、すごく豪華なひとときになりました。

まず第1部。岩切さんとぼくがそれぞれの仕事を紹介。ついで岩切さんは自作詩の朗読。ぼくは『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)所収の「川が川に戻る最初の日」を小島くんの音楽つきで朗読し、そのまま小島くんが名曲「ベルカ」を歌ってくれました。

第2部では、岩切さんが訳した『悲しみを聴く石』上演台本を、まだ稽古中の那須さんが読んでくださいました。制作途上の舞台の迫力。女優さんの怪物的すごさを実感しました。

ついで、こっちも、秘密にしていた特別ゲストとして古川日出男登場。古川作の「『銀河鉄道の夜』の夜」を、柴田さんも加えた4人で上演。これはかなりの衝撃を、みなさんに与えたのでは。

東大文学部の大教室でこんなパフォーマンスが演じられたのは、まちがいなく空前絶後。とはいえ、また機会があれば、やってみたいことです。朗読劇『銀河鉄道の夜』の今後の展開にも、ご期待ください。

Tokyo Poetry Journal

略してToPoJoとは、まるでトッポジージョみたいなかわいい名前。東京ベースの、新しい英語詩の雑誌です。第1号が完成し、11月13日(金) に表参道で朗読会が開催されました。ぼくは「太魯閣歌片」The Taroko Cantos を日本語と英訳で寄稿。3人のすばらしいミュージシャンをバックに、朗読を行うことができました。

編集長のTaylor Mignonとその協力者Jeffrey Johnsonをはじめとするみなさんに、心から感謝します!

2015年11月10日火曜日

バルト・シンポジウム

中野キャンパスでの『100歳のロラン・バルト』終了。15人の発表者のスピンぶりに圧倒される、ほんとうにおもしろい午後でした。シンポジウムの英語タイトルはSpinning Barthes、その意味を述べた「あいさつ」の一部を、以下に記しておきます。

*****


「Spinning Barthesというタイトルの意味を説明しましょう。英語でタイトルをつけなくてはならない理由はまったくなかったのですが、ここではspinというありふれた英語の動詞の意味を、二重化させて使ってみたいと思いました。

 まず他動詞として考えるなら、それは「バルトをスピンさせること」となります。つまり回転させること、あるいは糸をつむぐことです。DJがレコードを回すように、バルトをスピンさせ、その音楽と思考を再生してみる。蚕が繭を作るように、われわれのひとりひとりがつむぎだす糸がひとつに合わさって、バルトという言葉の存在をこの場に出現させる。

 英語の慣用句で spin a yarn 糸をつむぐというと、ほら話のような突拍子もない話をとりとめなく続けることを意味しますが、ここではわれわれが順番にバルトという物語を、あるいはバルトに触発されて多方向に芽吹いてゆく物語を、とりとめなく、連想がおもむくままに語り、その果てにまるで幻影の人のように、バルトという存在の名残が新しい生命を得ることができればいい。そんな気持ちをこめています。

 ついで自動詞として考えるなら、スピンするのは独楽であり、ダンサーであり、自動車であり、飛行機です。高速で回転し、その回転のうちに運動と静止の印象を統合し、優雅にくるくると回り、スピードをあげて悠々と走り去るかと思えば、路面で激しくスリップしてコースをはずれ、バランスを失い、きりもみ状態となって墜落する。このすべてを、文学者ロラン・バルトの身体とその運動に重ねてみることができるのではないでしょうか。

 なんらかの主題を見出してそれを連想によってまとめあげるとき、バルトの知性は恐ろしいほどの速度を見せます。けっして轟音をあげることはないのに、きらびやかな回転とスリリングな転位により、人を魅了します。しばしばスピンして、思考が断ち切られ、どこかまた別の場所に飛んでいってしまう。サイレント映画でも見ているような無音の事故が起きて、ある文章が唐突に終わり、次のページは空白のまま残される。断章につぐ断章につぐ断章、あるいはカードにつぐカードにつぐカード、そしてそのひとつひとつが不思議な独楽として、それぞれの永久運動をつづけている。

「群像」12月号

「群像」12月号に石田千『家へ』(講談社)の書評を書きました。すでにオンラインで読めます。

http://gunzo.kodansha.co.jp/39016/42890.html

これぞ芸術家小説の王道、といえる作品です。冬空と海辺が好きなみなさんにお勧めします!

2015年10月19日月曜日

「人文知のトポス」

18日、岡山就実大学のシンポジウム「人文知のトポス」に参加。ぼくは「翻訳が作り出すもの」と題して「翻訳」部門の基調講演を行いました。1時間ほど。それにつづいて、同大学教授の山本光久さんとの対話。

翻訳という途方もなく広大な営みの、ごく一部にしかふれることができませんでしたが、まずまず内容のある講演になったのではないかと思います。次は来年の7月に、翻訳学の国際学会で、講演をする予定。何か新しい話題を考えます!

岡山は地形がおもしろいですね。こんどはゆっくり滞在して、歩く時間を作りたいと思います。

2015年10月17日土曜日

『国境を越える現代ヨーロッパ映画250』

野崎歓さんらの編集による『国境を越える現代ヨーロッパ映画250 移民・辺境・マイノリティ』(河出書房新社)が完成しました。これは必携!ぼくは「タルコフスキー エレメンツと亡命」と題するエッセーを書きました。

片桐功敦『SACRIFICE』

華道家・片桐功敦さんの作品集『SACRIFICE 未来に捧ぐ、再生のいけばな』(青幻舎)が完成しました。東京電力福島第一発電所に至近の場所で、追悼のためにいけられた花々。赤坂憲雄さんとぼくが文章を寄稿しています。ぜひごらんください。

「MONKEY」第7号

柴田元幸さん編集の「MONKEY」7号の特集は「古典復活」。ぼくはアンケート「古典5種競技」に、小沼純一さんや福岡伸一さんらと答えています。この号、古川日出男さんの宮澤賢治リミックスも絶好調。ほんとうにおもしろい雑誌です!

2015年10月5日月曜日

『地形と気象』中間報告会

連詩『地形と気象』の中間報告会を開催します。10月24日(土)、下北沢B&Bにて。

http://bookandbeer.com/event/20151024_tereno_vetero/

全52篇(予定)のうち前半部分の朗読とディスカッションにより進めます。秋の土曜日の午後、ぜひいらしてください。

2015年9月25日金曜日

秋学期のゼミ

秋学期が始まり、また慌ただしい毎日です。

大学院ゼミでは、以下の本を順次とりあげることにしました。修士1年の学生の関心に沿ったものですが、全体としてみて、研究室の方向性をおのずから反映しています。

興味がある人はいつでも見学に来てください!なお10月第2週は「山形国際ドキュメンタリー映画祭」のためお休み。また11月7日のバルト・シンポジウムのため、バルトの著作はエクストラの教材です。

ティム・インゴルド『ラインズ』(左右社)=前期からの続き、まとめ 
赤坂憲雄『東北学/忘れられた東北』(講談社学術文庫)
村井吉敬『インドネシア・スンダ世界に暮らす』(岩波現代新書)
グレゴリー・ガリー『宮澤賢治とディープ・エコロジー』(平凡社ライブラリー)
想田和弘『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』(岩波ブックレット)
想田和弘『カメラを持て、町へ出よう』(集英社インターナショナル)
姜信子『声 千年先に届くほどに』(ぷねうま舎)

2015年9月21日月曜日

SPINNING BARTHES

「SPINNING BARTHES 100歳のロラン・バルト」

明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻では、フランスの批評家ロラン・バルト (1915-1980) をめぐる公開シンポジウムを開催します。予約不要、参加無料。お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。


【日時】2015年11月7日(土)12:20~17:30
【会場】明治大学中野キャンパス5階ホール
【主催】明治大学理工学研究科 新領域創造専攻

【フォーマット】ひとり15分のショート・プレゼンテーション。ロラン・バルトの著作1冊を選び、発表者自身の現在の立場から、自由に論じます。バルトが試みたさまざまな冒険を、現代に再生させるための道を探ります。

【発表者】(全15名)
上野俊哉 (和光大学) 
温又柔  (小説家)
倉石信乃 (明治大学)
鞍田崇  (明治大学)
小沼純一 (早稲田大学)
小林昌廣 (情報科学芸術大学院大学)
清水知子 (筑波大学)
陣野俊史 (文芸批評家)
管啓次郎 (明治大学)
谷口亜沙子(獨協大学)
根本美作子(明治大学)
波戸岡景太(明治大学)
林立騎  (演劇研究者)
松田法子 (京都府立大学)
柳原孝敦 (東京大学)

【時間進行】
12:00 開場
12:20 司会者による進行説明
12:30~13:45 セット1(5名)
14:00~15:15 セット2(5名)
15:45~17:00 セット3(5名)
17:00~17:30 オーディエンスとの対話
17:45 終了・撤収


【連絡先】明治大学理工学部批評理論研究室 管啓次郎 (044-934-7275)

2015年9月20日日曜日

「週刊読書人」9月18日号

「週刊読書人」9月18日号に、姜信子『声 千年先に届くほどに』(ぷねうま舎)の書評を書きました。彼女の強靭な精神への入門として最適の本かも。今学期はゼミの課題図書にもしたいと思っています。

2015年9月7日月曜日

「花椿」10月号

「花椿」10月号はサイエンス特集。毎号巻頭に現代詩の新作が掲載されますが、この号ではぼくが30行の詩を書きました。題して「La ciencia en flores」、「花によって語る/構成する科学」みたいな気持ちです。どこかで「花椿」を見かけたら、ぜひお読みください!

「旅ラボ」第5回!

リサーチ型のアート・プロジェクト「旅するリサーチ・ライブラリー」は成果物をポッドキャスティングによるラジオ番組として発表しています。

第5回はぼくも参加した北海道編! かれらに誘っていただいて同行した北海道の2泊3日の旅のかけらが、 声の記録として残されました。

46分ほど。おひまなときに、さらりと聴いてみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=48AMXR_qRHE

2015年9月6日日曜日

エコクリティシズムのために

ASLE-Japan 文学・環境学会ホームページに、エコクリティシズムを学べる大学院情報が掲載されました。

http://www.asle-japan.org/about-us/%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%82%92%E5%AD%A6%E3%81%B9%E3%82%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6-%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2/

ぼくの研究室は理工学研究科<新領域創造>専攻ですが、理系のみならず、文系・芸術系の全ジャンルから進学できます。主題は自由。自由そのものが主題。論文執筆だけでなく、作品制作(映像、写真、美術、アート・プロジェクト、文芸創作)でも修士号を取得できます。

エコクリティシズムとは「環境批評」ですが、要するに人間社会と自然との関係を全面的に問い直すための、思考の冒険。文学、哲学、人類学、生物学、地理学、すべてのジャンルを横断しつつ考えを紡いでゆきます。

興味がある人は、いつでもゼミ見学に来てください!  ゼミは毎週木曜日、明治大学中野キャンパスです。

2015年9月5日土曜日

「旅ラボ」と北海道へ

9月1日〜3日、「旅するリサーチ・ラボラトリー」のみなさんと一緒に、札幌から羅臼への旅を決行。このラボラトリーはアーティストの下道基行、Mamoru、山崎阿弥、丸山晶崇のみなさんによる「リサーチャーをリサーチする」アート・プロジェクトで、各地でいろいろな分野の研究者のみなさんのお話を聞きながら、旅について、歌について、考えるというもの。

何より、この顔ぶれ(+アシスタントの平石くん)が生み出すケミストリーが絶妙。1台の車に乗って長い距離を走るその時間が、発想と刺激と笑いにみちた、旅の時となります。

三重から出発してずっと北上してきたかれらと合流して、札幌では北大の工藤岳さん(植物生態学)と野幌の森を歩き、伊庭靖弘さん(古生物学)の研究室を訪ねました。 ソウルフルなふたりの自然科学者に、目を開かれっぱなし。

その晩のうちに阿寒湖まで走り、翌朝、羅臼へ。ここでも驚くべき遭遇が。海岸のひぐま! 川岸のしまふくろう! さらには羅臼町郷土歴史資料館の充実ぶりに目をみはりました。案内していただいた涌坂周一さん(考古学)のすごさに感嘆。しかし、詳細は旅ラボ制作のポッドキャストにまかせたほうがよさそうです(下記リンクは第4回。北海道篇はそれにつづくはず)。

https://www.youtube.com/watch?v=cliySYxANFM

北海道の、そしてその名以前からつづくアイヌモシリの、広大な美しさとゆたかさにふれた旅でした。旅ラボのみなさん、そして羅臼でお世話になった元ゼミ生の中村絵美ちゃん、ほんとうにありがとうございました。

2015年8月29日土曜日

「地形と気象」

左右社のウェブサイトで連載中の連詩「地形と気象」。暁方ミセイさんの#37 を受けて、ぼくの#38がアップされています。

http://sayusha.com/webcontents/c11/p=201508281504

他のメンバーは、大崎清夏さんと石田瑞穂さん。一年分#52まで続くとして、いよいよ佳境。10月には書店イベントを企画していますので、ご期待ください。

ミルキィ・イソベさんと

ドキュメンタリー映画『未来をなぞる』(畠山容平監督)、30日(日)の上映後に、装幀家のミルキィ・イソベさんと対談します。青山学院そばのイメージ・フォーラムにて。この機会にぜひ映画をごらんください!

ASLE-Japan at 小諸

ASLE-Japan 文学・環境学会の今年度の大会は、長野県小諸にある安藤百福センターにて、8月22・23日の両日にわたって開催されました。

センターは、すばらしい施設! 個人単位の研究発表に加えて、初日には人類学者や小説家のみなさんのシンポジウム「動物のいのち」(石倉敏明、木村友祐、分藤大翼、山口未花子)、シートンの翻訳者でもある動物学者・今泉吉晴先生の基調講演、二日目にはこれも初の試みとなったフランス語圏文学のエコクリティシズム・パネルと明治大学の大学院生および近年の修了生のみんなによるシンポジウム「自然の風景」など、内容も形式も多様な、刺激にみちた大会となりました。

わが友人、カルチュラル・スタディーズの上野俊哉さんも個人発表で参加してくれて、ありがとう。動物のいのちをめぐる全般的対話を、これからも続けましょう。

ぼくは今泉先生のすばらしい、すばらしい講演「シートンの知られざる偉業」にすっかり打たれました。 見ることの大切さ。口でいえばわずかひとことですが、実践するのはほんとうにむずかしい。その最高の実践者が、最高の先駆者について語る。こちらも目を開かれました。

シートンについては、ぼくの『野生哲学』でもふれていますが、北米の猟師・罠師らの知を物語のうちに体系化し、それを圧倒的な画力とともに提示した、真に偉大な知性のひとりだと思います。知のこういうあり方を、われわれはもっと真剣に学び直す必要があります。

これまで、ともすれば英語圏・日本語圏文学の研究に限られがちだったASLEの活動の、多言語化と「環境人文学」への本格的な展開の、糸口が見えた大会でした。

実行委員の茅野佳子さん、河野千絵さん、ほんとうにごくろうさまでした。来年の開催地としては福井が内定しています。ヒト社会と他の生物たち、そして環境の全体との関係を考える手がかりを求めているみなさん、ぜひ入会してください!

2015年8月16日日曜日

『未来をなぞる』公開中!

われわれの時代の最高の写真家のひとりである畠山直哉を追ったドキュメンタリー映画『未来をなぞる』が、昨日からイメージフォーラムで公開されています。監督は畠山容平。震災による彼の故郷、陸前高田の破壊を、写真家はどう受けとめたのか。アーティストの思索と作品の命運を、深く考えさせられる作品です。

http://www.mirai-nazoru.com/

本日(16日)は上映後に、ぼくと写真家の藤部明子さんの対談あり。日曜の夜ですが、ぜひ遊びにきてください。

2015年8月8日土曜日

「鉄犬ヘテロトピア文学賞」発表!

お待たせしました。2014年に刊行された書籍から選ばれた第2回「鉄犬ヘテロトピア文学賞」の発表です。

受賞作
横山悠太『我輩ハ猫ニナル』(講談社)
井鯉こま『コンとアンジ』(筑摩書房)

特別賞
松田美緒『クレオール・ニッポン うたの記憶を旅する』(アルテスパブリッシング)

きわめて野心的に言語と文化の境界を問い直す小説2作、そして埋もれがちな歌をみずからの声によって取り戻そうとする歌のフィールドワーク。今回も、われわれ選考委員一同、強い共感と感謝の気持ちをもって選ぶことができました。

今回の選考委員は温又柔、木村友祐、下道基行、管啓次郎、高山明、田中庸介、中村和恵、林立騎、山内明美でした。横山さん、井鯉さん、松田さん、おめでとうございます!選評など詳細は、追ってお知らせします。

2015年7月27日月曜日

『ほんとうのうた』東北上映会

朗読劇『銀河鉄道の夜』を追った河合宏樹監督のドキュメンタリー『ほんとうのうた』。この週末、東北での上映会を開催しました。まず大船渡の仮設住宅が移転してきれいなアパートになった、その集会室で。ついで住田町の町役場に新しくできたばかりの、美しいホールで。

いずれも古川日出男作の短編『「銀河鉄道の夜」の夜』に、小島ケイタニーラブのできたての新作「ビッグ・アイ」を加えての、15分ほどの朗読パフォーマンス付きです。かなり強烈。

昨年7月20日の明治大学アカデミーホール、27日のヴァンジ彫刻庭園美術館での『銀河鉄道の夜』公演以来の出演者全員集結の機会で、何か新しい始まりを予感させる場にもなりました。

http://www.fnn-news.com/localtime/iwate/shinsai/detail.html?id=FNNL00026626

さあ、このレールは、次はどんな風に延びていくのか? ご期待ください。

そして東北被災地の現在に対する関心を、みなさま、どうか持ち続けてください!

2015年7月19日日曜日

「図書新聞」3216号(2015年7月25日号)

18日発売の「図書新聞」に書評を書きました。アフメットジャン・オスマン『ああ、ウイグルの大地』(ムカイダイス+河合眞訳、左右社)。ウイグル現代詩に初めてふれました。広大な世界です。ぜひごらんください。

2015年7月10日金曜日

100歳のロラン・バルト

今年はロラン・バルトの生誕100年。それを勝手に記念して、バルトの仕事をふりかえるシンポジウムを開催します。11月7日(土)午後、明治大学中野キャンパスにて。

参加者が確定しました。題して「Spinning Barthes 100歳のロラン・バルト」。ほんとに画期的なシンポジウムになります! いまからカレンダーにしるしをつけておいてね。

上野俊哉 『神話作用』
温又柔  『中国旅行ノート』
倉石信乃 『サド、フーリエ、ロヨラ』
鞍田崇  『モードの体系』
小沼純一 『恋愛のディスクール断章』
小林昌廣 「記号学と医学」
清水知子 『物語の構造分析』
陣野俊史 『表徴の帝国』(記号の国)
管啓次郎 『エクリチュールのゼロ度』/『ミシュレ』
谷口亜沙子『明るい部屋』
根本美作子『ロラン・バルトによるロラン・バルト』
波戸岡景太『エッセ・クリティック』
林立騎  「演劇論」
松田法子 『エッフェル塔』
柳原孝敦 『偶景』


戦闘的バルトの精神を、改めて継承しよう。

2015年7月9日木曜日

「日本経済新聞」7月12日

こんどの日曜日の日経随想欄に「異郷としての東京」というエッセーを書きました。Port Bのプロジェクト、東京ヘテロトピアをめぐるものです。

この日曜日の随想、これで3回目の執筆です。前は、ラパ・ヌイ(パスクア=イースター島)についてと、サント・ドミンゴ(ドミニカ共和国)について。いつだったかな。

東京ヘテロトピアは、東京オリンピックが強いること確実な都市の記憶喪失に対するカウンター・ステイトメント。これからも2020年まで、あらゆる手をつくして続けていくつもりです。

2015年7月5日日曜日

ASLE-Japan Newsletter #38

ASLE-Japan (文学・環境学会)のニューズレター38号が発行されました。毎号、代表が巻頭エッセーを書くことになっています。今回は小西晴子監督のドキュメンタリー『赤浜ロックンロール』をめぐって。三陸の巨大防潮堤の意味をストレートに問う佳作です。ぼくのエッセーはどうでもいいのですが、この作品、ぜひごらんください。そして人間社会と自然のダイナミックな動きの境界面を、改めて考えましょう。

2015年7月4日土曜日

「すばる」8月号

6日発売の「すばる」8月号に、6月14日に逝去された西江雅之先生への追悼文「すべての異郷の異郷へ」を寄稿しました。ぜひごらんください。

2015年7月2日木曜日

「水牛のように」7月号

八巻美恵さん編集のウェブマガジン「水牛のように」7月号。ひさしぶりに詩を掲載していただきました。「海辺へ」160行です。

http://www.suigyu.com/sg1507.html

2013年秋に刊行した『時制論』は、「水牛のように」の連載に端を発しています。ここを舞台に、また新しい詩集を作っていきたいと思っています。

2015年6月29日月曜日

第10回・国際メルヴィル会議

27日(土)、慶応義塾大学で開催されたメルヴィル国際学会に参加しました。主題は Melville in a Global Context 。この巨大な作家をめぐる5日間の、きわめて充実した学会です。

27日には基調講演者のひとりとして、アメリカの小説家でカリフォルニア大学サンタクルーズ校教授のカレン・テイ・ヤマシタさんが講演。"Call Me Ishimaru" と題された感動的な講演に対して、ぼく、牧野理英さん、今福龍太さんがコメント&パフォーマンス。なかなかおもしろいセッションになったのではないかと思います。

この機会を作ってくださったのは巽孝之さんです。ほんとうにありがとうございました。及ばずながらぼくも、これからも、太平洋の両岸のことを考えていきたいと思います。メルヴィルのみならず、あらゆる可能な鍵を探りながら。

2015年6月18日木曜日

さようなら、西江先生

6月14日、西江雅之先生が究極の異郷へと旅立たれました。

http://mainichi.jp/select/news/20150618k0000e040146000c.html

先生の年来のご希望だった写真集制作を進めていたのですが、完成したものを手にとっていただくことはかなわず。しかし全体の構成を確認していただくことはできました。7月に刊行予定です。みなさま、ぜひ『写真集 花のある遠景』を見ながら、この永遠の旅人を偲んでください。

36年前、西江先生によりピジン・クレオル言語とその地域に目を開かれたのが、ぼくの出発点。先生の厖大なお仕事(特にアフリカ研究)の全体を語ることはぼくにはできませんが、全世界のフランス語圏への旅を、これから継承してゆきたいと思っています。

モーリシャスで、ポンディシェリーで、サン・ピエールで、いつかまた、ひょっこり先生と出くわすような気がしてなりません。「安らかに眠る」のは、先生らしくありません。終わりのない惑星規模の歩行を、改めてお祈りします!

2015年6月8日月曜日

新領域創造専攻の入試情報

明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻、8月の入試の願書受付は6月29日からです。指導を希望する教員に、ぜひ連絡をください。倉石信乃(写真・美術)、清岡智比古(映画・都市文化)、波戸岡景太(コンテンツ批評)、そしてぼく(批評理論・創作)の4名。いずれも郵便住所は「214−8571 川崎 市多摩区東三田1−1−1 明治大学理工学部」+姓名です。

出願の意志のある方は、修士研究計画をA4で2枚(原稿用紙換算4〜6枚程度)以内にまとめて、送ってください。

待ってます!

https://www.meiji.ac.jp/sst/grad/examination/index.html

ImaginAsia 2015

ImaginAsiaは毎年、台湾の国立政治大学、タイのチュラロンコン大学とともに行っている大学院生の映像制作のワークショップです。今年は6月1日から5日まで、台北および台湾東部の太魯閣(たろこ)国家公園を舞台として開催されました。

学生たちは小グループに分かれ、その場で話し合うことから始めて、短期間で映像作品を制作します。最後の夜に発表会。いつものことながら明治の学生たちにとっては、政治大学のみなさんのプロフェッショナルなスキル、タイのみなさんの芸術的感覚に、圧倒される機会となりました。

2010年には台北と東京、11年には台湾中部の渓頭、12年には青森、13年には台湾の離島・馬祖、14年には高松・小豆島エリア。着実に歴史を重ねてきました。

もちろん来年もつづきます。興味がある人は、新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系を、ぜひ受験してください。

2015年6月7日日曜日

石川直樹『完全版・この地球を受け継ぐ者へ』

ちくま文庫の新刊、石川直樹さんの『この地球を受け継ぐ者へ』に解説を寄稿しました。まだ22、3歳の彼が参加したプロジェクト「Pole to Pole」の全記録。みずみずしい文章で、驚くべき冒険があっさりと語られます。ほとんど600ページに及ぶ大冊ですが、その精神の躍動につられて、一気に読めます。

プラネタリーかつフィジカルな思考への、最高の導入。特に夏休みを控えた学生のみんなに、お勧めします!

2015年5月29日金曜日

「週刊朝日」6月5日号

「週刊朝日」6月5日号に、眞並恭介『牛と土』(集英社)の書評を書きました。動物の命に関心をもつみなさん、 この本は必読です。

2015年5月17日日曜日

ロス・アンジェルス再訪

またまたロス・アンジェルスです。15日、UCLAで開催されたGlobal Japan Forum 2015参加のため。伊藤比呂美、カレン・テイ・ヤマシタ、ジェフリー・アングルスのみなさんと、Cultures of Migrationと題したセッションを行ないました。司会進行はロブ・ウィルソンさん。ぼくは「東京ヘテロトピア」をめぐる報告をしました。ちょっと議論のための時間が足りなかったけれど、聴衆のみなさんには興味をもっていただけたようです。

その夜は若木信吾監督の映画『星影のワルツ』。浜松を舞台にした、すばらしい傑作です。前夜上映の『白河夜船』とともに、若木さんの静謐な世界にひたることができました。若木さんとは、ばななさんをはじめたくさんの共通の知人・友人がいるのですが、お会いするのは今回が初めて。いずれ何かを一緒にできる機会もありそうです。

そしてきょう16日は、われわれの朗読劇『銀河鉄道の夜』をめぐるドキュメンタリー『ほんとうのうた』(河合宏樹監督)の上映会@国際交流基金。30名を超えるお客さんが来てくれて、原秀樹所長の進行のもと、質疑応答も活発でした。いまもつづく、何も変わっていない「震災後」の日々を考えるきっかけとなったなら、われわれとしては非常にうれしいことです。

いまロス・アンジェルスは ハカランダの青い花が真っ盛り。到着した14日は雨でびっくりするほど寒かったのですが、きのうきょうはさわやかな5月です。わずか3泊で明日はもう帰国ですが、また何度でも訪れたい街でした!

2015年5月5日火曜日

『聖地Cs』をめぐって

5月9日(土)午後3時から、明治大学中野キャンパスにて、木村友祐『聖地Cs』をめぐって著者と語り合う集いを開催します。当研究室とASLE-Japan (文学・環境学会)の共催です。原発事故以後の状況下、動物の命を考えましょう。表題作をお読みになった上で、お気軽にご参加ください。

http://www.asle-japan.org/news/

2015年5月3日日曜日

『映画・日本国憲法』

きょうは憲法記念日。それを記念して7日まで、ジャン・ユンカーマン監督の『映画・日本国憲法』がweb上で公開されています。みなさん、ぜひ見ましょう。見て、考えましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=N1gQtnDvMfM&feature=youtu.be

2015年4月29日水曜日

Jane's Walk 終了!

向島を舞台とした第2回ジェインズ・ウォーク東京は、最高の好天に恵まれて26日(日)に終了しました。明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻主催。向島学会のみなさんの全面的協力を得て、職住接近のご近所が機能している下町の魅力を学びました。

ジェインズ・ウォーク、日本における2番目の都市として、今年から京都でも開催されるそうです。都市のあり方を根本的に見直す、散歩の視線。来年もやります。ぜひご参加ください!

2015年4月17日金曜日

英語の勉強?

新学年になると、学部の新入生から博士課程の学生まで、みんなが知りたがること、それは英語の勉強法。で、英語教師としてのこっちの答えは、ひとつだけ。読むことが基本。読めれば書けるようになる、話せるようになる、その逆はなし。聞き流し学習教材や英会話学校は、時間とお金のむだ。やるべきことはひとつ。

1)B6か4×6の大きさのカードを準備する。
2)これはという英語の文章を1段落(か適当な長さで)書き写す(かコピーを切り抜いて貼る)。
3)それを毎日読む。本当に毎日読む。覚えてしまうまで読む。覚えたら、捨てる。

それだけです。 こんなカードがつねに手元に10枚あって、少しずつ入れ替わっていくなら、勉強といってもそれだけ。ただし妥協なく毎日読むこと。1日1回ずつでいいから。声に出したり、黙読だったり。10枚読んでも5分とかかりません。

学部1年生だったら、たとえばこんな文。

So then I had to choose another career, and I learned to pilot airplanes. I have flown almost everywhere in the world. And, as a matter of fact, geography has been a big help to me. I could tell China from Arizona at first glance, which is very useful if you get lost during the night. (Antoine de Saint-Exupéry, trans. Richard Howard)

学部3、4年だったら、たとえばこんな感じ。

The old man looked at the old woman, who stood up stiffly, from having been in one position so long,  and together they got off the train, missing their appointments in Venice, and spent the remaining years of their life in a foreign country, rather than part with a pair of birds that they had grown attached to on a long train journey, because of their color, which was as blue as the beginning of night when there is deep snow on the ground, and their song, which was more delicate than gold wire, and their movements, which were like the reflections of water on a wall.  (William Maxwell)

大学院生だったら、たとえばこれ。

The word 'desire', which was the object of our reflections, comes from the Latin DE-SIDERARE, which means first and foremost to note with regret that the constellations, the SIDERA, do not form a sign, that the gods are not sending any messages in the stars. Desire is the disappointment of the augur. Insofar as it belongs to desire, and is perhaps the element of poverty in it, philosophy, as we have seen, begins when the gods fall silent. (Jean-François Lyotard, trans. Andrew Brown)

カード1枚にいずれも十分おさまるよね。それを毎日、読むこと。冠詞の使い方、語と語のつながり方にも、句読点にも、すみずみまで注意して。「ブロークンな英語でいい」などと思ったら負け。よくいわれる「日本人は文法を気にするからしゃべれない」などという、まったく意味のない戯言は相手にしないように(それは「文法」という言葉を完全に誤解している)。とにかく、ちゃんとした文を毎日読む。それをくりかえすだけ。

それ以外の外国語の勉強法はありません。さあ、あとは実際にやるかやらないかだけです。

2015年4月13日月曜日

「作る人になろう」

明治大学学部間共通総合講座「作る人になろう」2015が始動しました。月曜の4限、真新しい駿河台グローバル・フロントのグローバル・ホールにて。明治の学生なら全学部全学年がとれる科目です。

毎回ゲスト講師としてさまざまな分野の「作る人」をお招きし、授業をお願いします。あまりに画期的な内容。講師の顔ぶれを見て、驚いてください。ドリアン助川、小島ケイタニーラブ、佐々木愛、温又柔、三角みづ紀、富田俊明、笹岡啓子、港大尋、佐野陽一、佐藤文則、新井卓。こうして見ると今回はちょっと写真の比重が高く、写真に関心のある人にはとりわけ興味深い講座となるでしょう。

作品を作るとはどういうことなのか、何をめざすのか。その営みの端緒からはじまって、それぞれの創作の秘密をみなさんがぞんぶんに語ってくれるはずです。

きょうはイントロとして、ルイス・ブニュエル『糧なき土地』、アラン・レネ『夜と霧』という、いずれもドキュメンタリー映画史上に残る作品を紹介しつつ、われわれに「歴史」を見せる映像の性格を考えました。

来週から本格的に開始。まずは、わが尊敬する友人、ドリアン助川さんです。 いまから楽しみです!

「東京ヘテロトピア」再始動

2013年のフェスティバル/トーキョー参加作品だったPort Bの巡礼型極小演劇作品集とも呼べる「東京ヘテロトピア」。あのテクスト群がiPhoneのアプリとなって甦りました。ダウンロードして、現地に行き、関連する物語を耳で聞くという趣向。このアプリ版の完成を記念して、第14番めの場所として選ばれた東京ジャーミィにてイベントが開催されました。

代々木上原にあるこの美しいモスク、その外見は多くの人が知っていることと思います。でもその建物の内部の荘厳な美しさといったら! 日曜日はジャーミィの下山さんにお話をうかがいながら建物を案内していただき、ついでイスラム教徒のみなさんのお祈りを見学させていただきました。祈りを呼びかける声の、しびれるほどの良さ。それにつづく祈りの、しーんとした沈黙。

東京へテロトピアをめぐる林立騎さん、高山明さんの説明のあとで、ぼくがこの日のために書き下ろした物語が、15歳のイスラム教徒の少女により朗読されました。 感動。イスラムの信仰世界への新たな目覚めとなった一日でした。

ジャーミィはどんな人でもふらりといって見学することができます。併設のトルコ文化センターも興味深い。ぜひいちど訪ねてみることをお勧めします。イスラム教をめぐる、単なる無知に基づく偏見から自由になるためにも。ぼくもまた行ってみるつもりです、何度でも。

2015年4月9日木曜日

清泉女子大学で

きょうは花冷え(?)。金曜日から明治の授業がはじまるまえに、今年だけ非常勤で出講する清泉女子大学英文科に行ってきました。主として2年生対象の「翻訳基礎演習」、主として4年生対象の「翻訳研究」を担当します。

きょうは初回のイントロとして、William Maxwell の短編をとりあげました。前者には "The blue finch of Arabia"、後者には"The girl with a willing heart and a cold mind"を配布。どちらもあきれるほど巧みな短編。こういう話が書けたら!と、読むたびに思います。また授業のスタイルとして、こうした作品をゆっくり読みながらその場で注釈を加えていくのが、自分にはいちばん合ってるなと、改めて。

そして来週からが本番。テクストはElizabeth McKenzie, Stop That Girl と Aimee Bender, The Particular Sadness of Lemon Cake です。大好きな友人たちの長編作品を、これから一年間、のんびり読んでいきます。楽しみ! 思いがけない読みをどれだけ引き出せるか、ともあれやってみます。

2015年4月8日水曜日

春学期の大学院ゼミ

以下のように大学院ゼミを行います。見学希望の方はいつでもどうぞ! 明治大学中野キャンパス7階中央の吹き抜けになったラウンジに、14時30分までにいらしてください。(ゼミは4、5限、14時40分から17時50分まで。)

本年度前半は基本に立ち戻り、批評的な射程のある本を読んで議論する。フィクション/ノンフィクションの区別やそれぞれのサブジャンルに囚われない、コンセプチュアルで探求的な文のあり方を探ることにしたい。大きな方針として、2週間で1冊を読み、議論を深める。学期末には、リサーチ・ペーパーを提出する。長さは400字詰め原稿用紙換算20枚を標準とする。平行して36冊の個人ブックリストを制作する(別途指示)。

以下、課題とする図書。またディスカッションのリーダーを指定する。M1の4名それぞれの研究テーマに合わせた。


4月16日、23日 
管啓次郎『ストレンジオグラフィ』(左右社)=全員

4月30日、5月7日 
谷川健一『常世論』(講談社学術文庫)=上城

5月14日、21日
石牟礼道子『苦海浄土』(講談社文庫)=北国

5月28日、6月11日
吉本隆明『宮沢賢治』(ちくま学芸文庫)=小金

6月18日、25日
中井久夫『伝えることと伝わること』(ちくま学芸文庫)=山口

7月2日、9日
ティム・インゴルド『ラインズ』(左右社)=全員

7月16日
発表(ひとり15分厳守)=全員

7月23日
まとめ


6月4日はImaginAsia 2015のため休講。その後、 後期にはインゴルドの論文を英語で輪読する予定。
         

2015年4月5日日曜日

新年度、よろしく

「特別研究」として授業を免除されていた2014年度が終わり、4月1日から通常業務に復帰しました。今年は明治大学理工学部で「総合文化ゼミナール」2つと1年生対象の「英語リーディング」1つ。理工学研究科で大学院科目1つ(前期は「コンテンツ批評」、後期は「映像文化論」)と修士課程のゼミ2コマ。明治大学全体の全学部共通科目として「作る人になろう」。さらに清泉女子大学で翻訳演習2コマを担当します。

大学院ゼミに関しては、随時、見学をうけつけます。興味がある人は毎週木曜日の13時ちょっとまえに、明治大学中野キャンパス7階に来てください。夜までだらだらやってます、たぶん。

内容については、これも少しずつこのブログで紹介していきます。この春入学の修士課程の新入生は4名。これから思い切り冒険的な内容にとりくむつもり。 セノポイエーシスの合言葉に忠実に、新しい動きを作り出していきましょう!

2015年3月29日日曜日

アメリカ比較文学会の発表終了

シアトルで開催中のアメリカ比較文学会、われわれのセミナーは「日本のエコクリティシズム」です。土曜日は第2日。ぼくも発表を終えました。

きょうはぼくが「2011年3月11日以後の写真」と題して、畠山直哉さん、笹岡啓子さん、露口啓二さんにお借りした写真を見せながら、人間社会と自然の関係について話しました。ついで、もともと参加予定だったけれど都合で断念した赤阪友昭さんが福島を撮影した写真を、ぼくがスライドショーで紹介。

そのあと、華道家・みささぎ流家元の片桐功敦さんが、 この3年ほどのご自分の福島での創作活動を、写真と短い言葉で提示してくださいました。比較文学会への華道家の参加は異例中の異例でしょう。あまりに美しくまた悲しいイメージと、きらめく短詩のような言葉が、聴衆の深い沈黙を誘いました。

高校と美大をアメリカで過ごした片桐さんは、英語も完璧。ぼくとはまったく同時期にここシアトル(ニルヴァーナのデビュー期です)に住んでいたこともあって、ちょっとした意図せぬ同窓会的雰囲気にもなりました。

そのあと、英語で詩を書いている高野吾朗さんが、福島を主題にした長い作品を朗読。これもパワフル。こうして学会というよりはアートのイベントみたいだった2日めが終了。参加者それぞれが大きな、予想もつかなかった刺激をうけたはずです。

次は、この線をどう延長してゆくかにかかっています。それが学会の存在意義。

「ヘテロトピア通信」第4回

昨年からはじまった鉄犬ヘテロトピア文学賞では、Sunny Boy Booksのホームページに間借りして、選考委員によるリレー連載のエッセー「ヘテロトピア通信」を発表しています。木村友祐、温又柔、小野正嗣とつづいて、第4回め、ぼくの文章がアップされました。ぜひお読みください。

http://www.sunnyboybooks.com/heterotopia-news-4/

以後、高山明、林立騎、山内明美、そして第1回受賞者の下道基行、中村和恵とつづく予定です。

われわれがどんな暗い心をもってこの賞を設立したか、どんな希望を作り出そうとしているのか。そのあたりのことを、みんなで少しずつ書いています。

2015年3月26日木曜日

ACLA

シアトルに戻りました。明日、27日(金)から29日(日)にかけて、アメリカ比較文学会の年次大会が開催されます。場所はダウンタウンのシェラトン。ホスト校はぼくの出身校、ワシントン大学です。

http://www.acla.org/annual-meeting

ぼくは結城正美さん(金沢大学)、和氣久明さん(ベイツ・カレッジ)とともに Eco-Criticism in Japan というセミナーを組織しました。12人の発表者が毎日4人ずつ発表し、全員でそれを議論するという形式。これはアメリカ比較文学会独特のもので、しばしば一過性のものに終わりがちな学会発表が、持続する対話になって、非常に得るところが大きいと思います。

中村和恵さんを初めとする何人もの友人たちが、きょう日本から到着する予定。充実した週末になりそうです。

2015年3月25日水曜日

「地形と気象」の展開

左右社サイトでのウェブ連載詩「地形と気象」が4巡めをむかえ、いよいよおもしろくなってきました。暁方ミセイ、ぼく、大崎清夏、石田瑞穂の順に進んでい きます。追いかけ、ずらし、ゆらし、先に進めて。Jeff Johnsonによる英訳(まだ決定稿ではないけれど)も順次アップされています。今年いっぱいかけて全52篇の、画期的なバイリンガル詩集に育てていくつもり。ぜひお読み ください!

http://sayusha.com/webcontents/c11

2015年3月19日木曜日

ベイツ・カレッジ図書館にて

アメリカのいちばん北東の端にあるのがメイン州。むかしからなぜか興味のある土地でした。この州のルイストンにあるベイツ・カレッジを訪問中です。気温はマイナス9度、快晴。気持ちのいいキャンパスはまだまだ雪景色。

17日は聖パトリックの日でしたが、それを記念して(?)朗読会と映画上映を行うことができました。まずぼくの単独朗読会。「Agend'Ars」連作から計8片を、日本語、英語、フランス語、スペイン語で朗読。ついで宮澤賢治の話を少しして、ぼくを招いてくれた和氣久明さんと「雨ニモマケズ」のバイリンガル朗読(そう、いつも柴田元幸さんとやってるヤツです)。さらにわれわれの朗読劇『銀河鉄道の夜』の劇中詩「二つの夜、おなじ夜」を英訳で読んでしめくくりました。ここで教えるフランス文学、ラテンアメリカ文学の先生、また音楽を教える作曲家の三浦先生も来てくださり、いい会になりました。

夜は『ほんとうのうた』(河合宏樹監督)の上映会。観客のほとんどは日本語をとっている学生だったものの、背景や賢治についての知識がまるでないと、ちょっとむずかしかったかもしれません。すでに引退されたもののこの大学の先生で、賢治の「銀河鉄道の夜」の英訳者でもあるセイラ・ストロングさんに観ていただけたのが、大きなよろこびでした。

アメリカのリベラルアーツカレッジの良さがよく感じられるキャンパス。火曜日の夜はセミナーの夜で、夜の授業も多いようです。ほとんどの学生がキャンパスに住んでいる、独立した小宇宙。図書館も充実し、勉強するにはもってこいの環境です。こういうキャンパスに住みついて、創作に専念できたら!

フランスの小説家マルグリット・ユルスナールは、この州の大西洋岸の島にずっと住んでいました。こんどは夏にゆっくり来て、そんな場所も訪ねてみたいと思います。

2015年3月18日水曜日

Introduction to the screening at CU



     First of all, I’d like to thank conference organizers to give us this opportunity to show you a very interesting and moving documentary film on Levy Hideo. I firmly believe that Levy is one of the most interesting novelists writing in Japanese today, and that is already an understatement. Because what he has been attempting to do is something that no one else in history has even dreamt about. An American writer who grew up in Taiwan and Hong Kong as a child, choosing Japanese as his language of expression and writing obsessively about China, about the US and Japan, about his own radically threatened sense of belonging that results in his self-fashioning through an almost compulsive self-exile.
      Levy started his career as a scholar of Man’yo shu, Japan’s earliest imperial anthology of poetry, and his perspective on the historicity of this language is overwhelmingly broad. He made his debut as a Japanese-language novelist in 1987 with 『星条旗が聞こえない部屋』A Room Where the Star-Spangled Banner Cannot be Heard, and with his subsequent novels, essays and travel writing established his singular place in the current configuration of Japanese-language literature. Not only transnational but also highly trans-lingual in nature, his works offer unprecedented moments where different dialects of Chinese and Japanese mutually provoke critical thinking. And this film, that you will be watching shortly, will shed a light on what was hidden beneath his intimidatingly keen linguistic sensibility. Now let me tell you how this film came about.
     In the Spring of 2013, Sasanuma Toshiaki, who is the author of the first monograph written on Levy Hideo, organized a symposium called “East Asian Contemporary Literatures and Language of the Periphery” at Tunghai University in Taichung, Taiwan. Levy Hideo was invited to this symposium as a keynote speaker and I as a discussant. Now, if you were a reader of Levy’s work, you would immediately know what the name of Taichung meant for him. It is the town that he grew up between the ages of 5 and 10 before relocating to Hong Kong with his mother. He left Taichung in 1960 and didn’t once return. In fact, in spite of his obsessively repeated trips to Mainland China (I think he’s been there more than a hundred times by now) he had avoided any return to Taiwan before this with one single brief exception in 2005 that took him to Taipei and Taitung as a Japanese writer. But even at that time he avoided going to Taichung. And of course there was a deep psychological reason for this avoidance of half a century.
     So this trip to Taichung in March 2013 would be Levy’s first return to his childhood hometown in 52 years. As a child, he used to live in an area called “model village” (mofanxiang) in a house built by colonist Japan and was taken over by the Kuomingtan officers. So the place is rife with the traces of modern East Asian history, too. Sasanuma and his colleagues at Tonghuan University offered to help Levy find his old home. On hearing this, I immediately suggested that we should film and record the whole process. I asked my friend,filmmaker Okawa Keiko, to accompany us on the journey. She agreed on the spot and followed Levy around like a shadow or a woman ninja dressed in black. This documentary is essentially a work of Keiko alone; cinematography, recording, editing are all hers. And then there is Wen Yuju, a young woman novelist and a former graduate student of Levy’s, herself a Taiwanese raised in Tokyo and speaks and writes Japanese as a (quote-unquote) “native” speaker and writer of Japanese, joined us to witness everything that happens on the trip. The result is this film.
     Here is a quote from my friend Doug Slaymaker of the University of Kentucky that concisely describe the nature of this documentary:

This documentary chronicles the author’s anxiety-filled return from the Tokyo where he now writes in Japanese to the childhood home of English and Chinese in Taiwan. This journey takes us across five decades to a “home” that has lived only in memory, a child’s unreliable memory at that, and has long enlivened Levy Hideo’s imaginative landscape. It is a space that he has written of, across various languages, but has avoided returning to.

     Now is the time for you to witness what the video camera has witnessed and recorded. I, as the producer of this film, sincerely hope that you’ll like it. The film lasts 53 minutes. We’ll discuss about it after the projection. Thank you, and let’s begin.

2015年3月14日土曜日

3月13日、コロラド大学

コロラド大学での学会 Transnationalism and Its Discontents のためにボウルダーに来ています。高原リゾートと大学町が一体化した、気持ちのいいところ。アメリカにおけるチベット仏教の中心地でもあります。先週はまだ雪が降ったそうですが、温かく、高原の強い日射しが、残る雪もどんどん溶かしています。

学会は土日ですが金曜日の夜、ぼくがプロデュースしたドキュメンタリー『異境の中の故郷』(大川景子監督)の上映会を行いました。初めにぼくが説明し、53分の映画を上映、ついで作品の主人公(?)であるリービ英雄さんと観客のみなさんとの対話。とんちんかんな質問もありましたが、概して非常に的確な発言と批評があいつぎ、充実したひとときになりました。

ニューヨークから飛んできた多和田葉子さんもぶじ上映にまにあい、観ていただくことができました。明日はお昼にリービさんと多和田さんの対談。そして夕方、多和田さんの基調講演と進みます。

日本におけるふたりの代表的トランスナショナル作家のお話を存分にうかがうことのできる週末になりそうです。

レキシントン劇場で

4年めの3月11日。ケンタッキー州のレキシントン劇場で『ほんとうのうた』(河合宏樹監督)の上映を行うことができました。ダウンタウンの歴史的劇場、改装されたばかりで、新しい座席、新しい映写機、音響も最高。70名ほどのお客さんに、われわれの朗読劇『銀河鉄道の夜』を追体験しつつ、東日本大震災の意味を考えていただく機会になりました。

終了後、中国系アメリカ人の女子学生がやってきて、ふるえながら「こんなに感動したことはなかった」といってくれたのが印象的でした。当地に在住の日本人の方たちも何人か観てくれて、それぞれに丁寧な感想をくださいました。

4年まえの気持ちを忘れず、 私たちの社会の今後を構想していきたいものです。

2015年3月8日日曜日

「北海道新聞」3月5日

3月5日(木)の北海道新聞夕刊にエッセー「山川草木鳥獣虫魚のために」を寄稿しました。昨秋、美術家の岡部昌生さんとともに奔別の炭鉱跡を訪れたときの記憶から生まれた小文です。ぜひお読みください。

「読売新聞」2月22日

2月22日(日)の読売新聞読書面の特集「とっておきの恋愛小説」にエッセーを寄稿しました。ごらんください。

http://www.yomiuri.co.jp/book/column/honline/20150223-OYT8T50143.html?from=ytop_ymag

2015年3月5日木曜日

「動物のいのち」シンポジウム記録

「すばる」4月号、完成しました。特集「動物のまなざし」の一部として、シンポジウム「動物のいのち」の全容が報告されています。ああ。感無量。ま ちがいなく、これまでにぼくが企画したすべてのイベントで、もっとも充実した、きわめて重要な内容をもつ、形式としても画期的な、ものでした。

今後、動物について語るにあたって避けては通れない記録。ぜひ、買って読んでみてください。発表者のみなさん、今後も生涯をかけて、対話をつづけましょう。

ディスカッサントの石倉さん、波戸岡さん。原稿をみごとにまとめてくれた田井中さん、関さん。編集の羽喰さん。ありがとうございました!

2015年2月26日木曜日

3月11日の『ほんとうのうた』

4年目の3月11日が近づいてきました。われわれの朗読劇『銀河鉄道の夜』を追ったドキュメンタリー映画『ほんとうのうた』(河合宏樹監督)を、ケンタッキー大学所在地であるケンタッキー州レキシントンのレキシントン劇場で上映します。主催はケンタッキー大学のダグ・スレイメイカーさん。ぼくが舞台挨拶をする予定。東日本大震災の意味を、ケンタッキー州のみなさんと改めて語り考える機会にしたいと考えています。

2015年2月21日土曜日

「現代の眼」610号

東京国立近代美術館ニュース「現代の眼」610号に、現在開催中の奈良原一高「王国」展についてのエッセー「王国の光」を書きました。ぜひごらんください。同展は3月1日までです。

2015年2月6日金曜日

ASLEニューズレター

ASLE-Japan/文学・環境学会のNEWSLETTER 37号に「辺野古の海辺から」というエッセーを寄稿しました。秋のその日はしずかだった辺野古が、いままた大きく踏みにじられようとしています。いったい何を求める、誰によって?

「環境問題」と呼ばれるすべての問題は、結局のところ人間社会の経済問題であり、政治問題です。そして人間社会が、他の生物種をどこまで追いつめ、どれだけの負荷を強いるかという問いでもあります。

この号には昨年秋の明治大学中野キャンパスでのシンポジウム「動物のいのち」をめぐる報告も、ディスカッサントとして参加した波戸岡景太さんから寄せられています。

今年の大会は8月下旬を予定。ヒト社会の空間とその物質的基盤としての惑星の関係に、またヒトがこの世の全体をいかに想像しうるかに、興味がある方は、ぜひ入会してください。

「みすず」読書アンケート特集

雑誌「みすず」の1・2月合併号は恒例の読書アンケート。たくさんの寄稿者が選ぶ本に、刺激を受けます。ぼくはJonathan Crary の 24/7: Late Capitalism and the Ends of Sleep ほか4冊。どこかでごらんください。

ぼくが解説を書いたティム・インゴルド『ラインズ』(工藤晋訳、左右社)は、複数の方により挙げられています。 これも、ぜひどうぞ!

2015年1月30日金曜日

カリフォルニアの良さ

今週のロスアンジェルスでの滞在、予定をすべて無事こなすことができました。

26日(月)はカリフォルニア大学ロスアンジェルス校での講演、27日(火)は同校で大川景子監督『異境の中の故郷』を上映。28日はなつかしい友人たちとの再会、そして29日(木)は南カリフォルニア大学でぼくの詩をめぐるディスカッションと講演。

だらだらとどこまでも広がるロスアンジェルスという街の魅力にひさびさにふれ、またまったく校風のちがうふたつの巨大な大学それぞれのおもしろさをも瞥見した、いい機会になりました。

そして忘れられないのは、エクスポ・ラインに乗車したこと。3両編成の軽便鉄道ですが、便利であるのみならず、車窓から見える風景が楽しい。シアトルやヴァンクーヴァーのライトレイルとおなじく、まだまだこれから都市交通の要として発展してゆく可能性が感じられます。

UCLAではマイケル・エメリックさん、USCでは嶋崎聡子さんに、すっかりお世話になりました。ありがとうございました!


2015年1月18日日曜日

よしもとばななさんと

2月11日、下北沢の本屋B&Bで、よしもとばななさんと対談します。

http://bookandbeer.com/blog/event/20150211_a_toritachi/

ばななさんの新しい長編小説『鳥たち』をめぐって。さあ、どんな話になるかな。満席が予想されますので、チケット購入はお早めにどうぞ!

ロスアンジェルスへ

そして来週はロスアンジェルスへ。まずカリフォルニア大学ロスアンジェルス校で講演をします。

http://www.international.ucla.edu/institute/event/11046

その後、同校で大川景子監督『異境の中の故郷』上映会。さらに南カリフォルニア大学でぼくの作品の朗読会とつづきます。今週はその準備に追われることになりそうです。

でもシアトルと南カリフォルニアを行き来するのは、いつも大きなよろこび。その気候風土のあまりの違いに、びっくりします。

地球温暖化の影響でほとんど雨が降らなくなっている南カリフォルニアから、シアトルやポートランド(オレゴン)への人口移動はとどまるところを知りません。むかしの太平洋岸北西部の、鄙びた、落ち着いた雰囲気が、どんどん商業化されカリフォルニア化されていくのも、仕方がないことなのでしょうか。

いずれジュノー(アラスカ)が「もっとも住みたい都市」になる時代がやってくるでしょう。

シアトルで

1月になって、またシアトルに来ています。冬のシアトルはだいたいいつも雨なのですが、先週は青空がつづき、へんな感じでした。日曜日のきょうは冬の嵐です。

アパートのWiFi 接続がよくないので、朝5時から開いているスターバックスで通信をすませるのが日課。西海岸の5時は東海岸の8時、始業時間。そのためか、5時から来て勤勉にファイルのやりとりなどをしているビジネスパーソン的な人も何人もいます。

しかしこうして作られる24/7体制は、結局は人を資本と情報のマリオネットにするだけ。しっかり休息をとり、コンピュータや通信機器を切って、自分の時間を確保することが必要。

ワシントン大学では、21日(火)に河合宏樹監督『ほんとうのうた』の上映会を行います。アレン図書館の小さいけれどきれいなホールで。昨年、大川景子監督『異境の中の故郷』の西海岸ツアーの口火を切ったところです。

ついで23日(木)には、現在ヴィジティング・スカラーとして滞在中の坪井秀人さんと対談します。現在、確実にもっともおもしろい日本文学研究者のひとりである坪井さんとは、同世代。去年、まったく別々の用事でスロヴェニアのリュブリャナにいっていて、そこで初めてお会いしました。

ところが名古屋での高校時代、自転車通学をしていたぼくは、毎日、坪井さんが通っていた高校のまえを通っていたことがわかりました。ということは少なくともたぶん何百回か、半径100メートル以内に居合わせたことがあったということ。40年前の話ですが、不思議なご縁を感じました。

こうして1月もどんどん過ぎていきます。みなさん、お元気で。よい睡眠を(ふわ〜、ねむい)。

2015年1月1日木曜日

あけまして

みなさま、2015年、未年、あけましておめでとうございます。

世界の苦境はつづきますが、くじけずがんばろう。

本年もよろしく!