Saturday 30 July 2011

ISLE

文学と環境を考える雑誌ISLE (Interdisciplinary Studies in Literature and Environment, Oxford UP)に結城正美『水の音の記憶』(水声社)の書評を書きました。

http://isle.oxfordjournals.org/content/early/recent

語数が限られているためどうも中途半端な評になってしまいましたが、ごらんください。

なお、おなじ水声社からエコクリティシズム・コレクションの刊行が始まっています。まずは波戸岡景太『ピンチョンの動物園』と喜納育江『故郷のトポロジー』。どちらも注目です!

Agend'Ars 41


Es una zona pantanosa; muchos pantanos y lagos están tachonados
Conectados por las canales, hasta no sé dónde
Y forman una red de transportación; en esa tierra del norte
El aguacero del amanecer, de repente
Despierta íntimamente la superficie del lago
Nada es más bello que el abrazo entre el agua y el agua
Llegan pájaros trotamundos para poner huevos
Y preparan la pasión de las lochas, los pequeños cangrejos y otros animales más
Aquí yo me convierto en un ser pasivo
Y casi se me pierde de vista mi naturaleza del verbo
O bien, ante este restlessness
Casi se me va de las manos la estable naturaleza vegetal que tengo
Cargada de un lirismo límpido
Una estrella silenciosa gira por el firmamento
Un velero para una persona, perdido el capitán
Continúa su navegación sollozante sólo en esta zona

(Una traducción tentativa por Eiko Minami)

シアトルのスピーチから

下記の本に収録されたシアトルのスピーチ(ヘンリー・スミスのヴァージョン)に、こんな一節がある。いよいよ自分たちの土地が白人たちに取られることを感じて、彼はただこういうのだ。

「私たちの祖先、友人、子供たちの墓を、いつ何時でもじゃまされることなく訪れることができるという権利は、なんとしても否定されてはならない……」

場所の聖性の根拠は死者たちとの関係にあり、すべての土地は聖なるものとして尊重されなくてはならない。そして、シアトルがいうこの権利を、非生命圏の論理により奪いつくした電力会社と政府は、いったいどうやってそれを償うというのか。

Friday 29 July 2011

『いまだから読みたい本』

坂本龍一さん編のアンソロジー『いまだから読みたい本 3.11後の日本』(小学館)に、『野生哲学』からの抜粋が収録されています。また、アメリカ・インディアンの指導者だったシアトルの有名なスピーチの一部も、ぼくの訳で掲載されました。

他にも短く読み応えのある文章が集まっています。ぜひごらんください。人類史における私たちの位置を考えるための素材が並んでいます。

児玉龍彦さん

衆議院厚生労働委員会での参考人陳述。

http://www.youtube.com/watch?v=DcDs4woeplI&feature=youtu.be

システム生物学者の児玉龍彦さんです。ぜひ見てください。感動的。

ぜひ共有したい認識です。

Tuesday 26 July 2011

「ことばのポトラック」冊子の紹介

「毎日新聞」夕刊(7月25日)に冊子『ことばのポトラック』が紹介されました。ごらんください。

http://mainichi.jp/enta/book/news/20110725dde018040054000c.html

Agend'Ars 40


El hombre está de pie en el borde del río de verde y lodo
Acompañado por un pequeño mono posado en su brazo bronceado.
Los vellos dorados del mono tiemblan con el viento,
El cielo y los ojos del mono contienen agua.
El joven mira la ribera opuesta:
En el bosque cerrado vive la gente invisible
Los invisibles han fundado una aldea invisible
Donde viven noches invisibles haciendo fogatas invisibles.
Aun bajo este cielo azul en pleno día,
Para los invisibles de la ribera opuesta, esto es tiniebla
Como lo sabe, el joven de cabello desordenado observa la ribera opuesta.
El mono no mira la superficie del río, él de las manos pequeñas y bonitas,
Lo que el mono ve es una multitud de mariposas gigantes que se cruzan revoloteando.
Por las llamas invisibles que arden en el bosque de la ribera opuesta
Se asoman el terror pálido y el color desesperado
En las pupilas de gris oscuro del joven que lo sostiene en los brazos.

(Une traducción tentativa por Eiko Minami)

Sunday 24 July 2011

「歩いて、踏んで、取り戻せ」

雑誌「母の友」9月号に、われらがサバイバル登山家・服部文祥さんによる『野生哲学』の書評「歩いて、踏んで、取り戻せ」が掲載されています。

服部さんいわく、「生き物とは本来、ローカルな存在なのだ」。そのとおり! そしてみずからをローカルな生命と物質の流れに接続して生き延びることを試みてきた服部さんの言葉だからこそ、それは重く響きます。

服部さん、ありがとう。またどこかで会いましょう!

Saturday 23 July 2011

8月5日、札幌での朗読会

『ろうそくの炎がささやく言葉』の札幌朗読会は8月5日です。

同書に参加している著者では札幌出身の文月悠光さんとぼくが、そしてモエレ沼で一緒に展覧会をやる佐々木愛さん、ぼくの明治の同僚である倉石信乃さんが自作で参加。

http://www.keisoshobo.co.jp/files/flyer_20110805.pdf

このように土地ごと場所ごとにカスタマイズされたかたちで、朗読会を企画してゆこうと思います。

札幌および近郊のみなさん、8月6日のモエレ沼でのウォーキング・イベントともども、ぜひご参加ください。

Thursday 21 July 2011

Agend'Ars 39


Una vez había una idea de fuente de mesa
Un momento en una aldea en el vallejo de Haute Provence
Proyectó su sombra en mi mesa también.
Una sirena linda, una y otra vez
Salta en el aire, a favor del agua del surtidor,
Y con los brazos abiertos, sonriendo, ¡splash!
Vuelve al agua profunda.
Todas las aguas se continúan tan obstinadamente
Que no hay nada que nos garantice tanta continuidad como ellas
Aquí sin donde
Se conecta con la plaza de aquella aldea sin tiempo directamente.
Hacia las profundidades del mar del sur
O hacia el mapa del agua fría
Abriendo paso entre las moléculas todas iguales
Avanzará nadando valientemente, ella,
La sirena, la sirenita, la sirena que es nada más que el agua pura.

(Una traducción tentativa por Eiko Minami)

Agend'Ars 38

No tienes más que esperar para que te lleguen las palabras.
Por eso, más vale que evites las frases que acuden en tropel como una multitud:
Son imprudentes piedras tiradas desde el pasado
Que sólo producen chirridos inútiles para la creación.
Un mundo narrado con los vocabularios disponibles
Se parecerá inevitablemente a este mundo como los huevos de paloma.
No lo hagas. Tienes que dejar el lenguaje moderno,
Alejarte de las lenguas que viven en paz dentro de sus fronteras,
E inventar usos de palabras y términos extremadamente innaturales.
Así, divisarás una zona desconocida;
Entenderás poco a poco la tristeza de los colores desconocidos;
Surgirán conocimientos imposibles.
Llegará un día en que aprenderás que “En Arizona no hay pluviselva tropical
Y que “Amazonas no es desierto”.
Entenderás también que, aun así, en todas las pluviselvas sin falta se esconden desiertos
Y en todos los desiertos sin falta yacen pluviselvas.

(Una traducción tentativa por Eiko Minami)

「太平洋の島々に生きる人々」

明治大学アカデミー・コモンでの無料レクチャー+ポリネシアン・ショー、いよいよ明日金曜日午後7時です。

https://academy.meiji.jp/course/detail/49/

第1部は人類学者・後藤明さんの講演。第2部は太平洋文化芸術祭のために来日中のメンバーによる本格的なポリネシアン・ダンスのショー。フラの先生、クウレイラニ橋本さんによる進行です。

一般の方も入場無料ですが、上記リバティ・アカデミーまで事前に申し込んでください。

それでは明日の夜。お茶の水のポリネシア化をみんなで楽しみましょう!

なお、太平洋文化芸術祭はこの週末、駒沢公園にて。以下をごらんください。

http://www.pacific-fete.net/pcaf_jp/modules/pico/index.php?content_id=1

Wednesday 20 July 2011

ソローのともだち

1・2年生向け少人数ゼミ、今学期はソロー『森の生活』を読む。火曜日の最終回は全員の発表で終わった。

「大学に入ったときには、まだ将来何をやりたいとかあんまりなくて、いまもわからないけれど、福島の汚染がこれから30年とか50年とか続くっていうじゃないですか、そういうことを考えながら決めていくしかないんだなってわかった」

「ソローはすごい変わり者だと思うけれど、ひとりで考えて行動するのがすごい。これからも読んでいこうと思います」

3か月では何の知識にも結びつかなかったと思うけれど、それで十分。ソローは、きみのともだちになった。友人としてもつには、最高に困ったやつでもあり、最高のやつだ。

ぼくもいつかはウォールデン湖を訪ねてきたい。

Monday 18 July 2011

ABC六本木店から

7月6日の小池昌代さんとの「七夕・ちび王子対談」のようすが、青山ブックセンター六本木店のスタッフブログで紹介されています。

http://aoyamabcroppongi.blog58.fc2.com/blog-entry-129.html

高橋さん、2か月連続でお世話になりました! ありがとうございました、これからもよろしく。

出前ポトラック

土曜日にはジュンク堂池袋本店9階で、「ことばのポトラック」の出前朗読をやりました。森山大道さんと大竹昭子さんの熱のこもった対談につづき、われわれのセッション。

まず、くぼたのぞみさんが、人生に対する深い思索をうかがわせる詩を2編。ついで東直子さんが、研ぎすまされた感受性のお手本みたいな短歌を。短歌はやっぱりすごい。心のすべてのすきまに浸透する感じ。ここまでで、聴衆のみなさんはほぼ全員が涙顔。

それからぼくは8月刊行の『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)所収のエッセー「川が川に戻る最初の日」をAyuoの伴奏付きで朗読。Ayuoとのステージもこれで4回目。即興だったにもかかわらず、笛とアイリッシュ・ハープのすばらしさに助けられて、こっちも読みやすくなりました。

それからAyuoの自作詩(英語)の日本語訳をぼくが読み、Ayuoの弾き語りへ。何をやってもワールド・ミュージックになる彼のすさまじい才能を、またまたまのあたりにしました。

全体でも40分ほどでしたが、いいものです。2時間びっしりの本格的イベントじゃなくて、こういう3、40分で完結するミニ・イベントを、もっとやっていきたい。たとえば書店の書棚の前で、いきなり2、3人(あるいはひとり)のお客を相手に朗読をはじめるとか!

興味がある書店さん、いつでもご連絡をください。ぼくひとりでも、よろこんでやります。20分ほどで、詩を3つ、散文作品1つといったところでしょうか。耳で文字を聴くのも、たまにはおもしろいものです。録音ではなく、肉声で。

Saturday 16 July 2011

刑事責任

この春、弁護士の友人と、「東電首脳部に対する刑事責任を問えないのか」という話をしていた。ぼくらは根性も知識もなくてそのまま何もしなかったが、本当にそれをやってくれた人たちがいたみたいだ。

http://fpaj.jp/?p=1344

今後の経過に注目しよう!

一方、青山ブックセンターでは

ABC恒例の夏のブックフェア、今年は「知恵の実」がテーマ。もちろん、ぼくも参加してます、無知の実ひとつ持って。


そして8月21日には、いよいよ『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)刊行記念イベントです。わがソウル・ブラザー古川日出男をはじめとする友人たちとの夕べです。


どちらもお勧め、お勧め! よろしくお願いします。


*****


青山ブックセンターイベント情報[2011.7.15]
【1】 ABCブックフェス2011〜この本は本当にいい!〜「知恵の実」としての本
青山ブックセンター本店・六本木店・丸ビル店にてブックフェア開催(2011年7月23日(土)〜8月20日(土)・本店のみ〜9月10日(土))




【2】 ABCブックフェス2011関連イベント
●広川泰士×森本千絵「知恵の実トークイベント:家族・写真」 
●管啓次郎、古川日出男ほか「ろうそくの炎で本を読もう 知恵の実朗読会」 
●佐藤卓×岩井俊雄「知恵の実トークイベント:子ども・教育・アート・デザイン」
【3】 荒井良二×名久井直子(本店・2011年8月20日(土)2011年8月20日(土)14:00〜16:00)
【4】 翻訳教室 短期特別クラス 講師・金子靖(カルチャーサロン・2011年8月5日(金)、9月2日(金)、9月30日(金)の3回 19:00〜21:00)
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【1】ABCブックフェス2011〜この本は本当にいい!〜「知恵の実」としての本
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青山ブックセンターでは「いい本をたくさんの人に知ってもらいたい!」という趣旨のもと、「ブックフェス この本はほんとうにいい」というブックフェアとイベントを毎夏開催しております。

7回目を迎える今年のテーマは「知恵の実」です。

3月11日に起きた震災は、私たち全員の生活の根本を揺るがす大きな衝撃を与えました。
日常として当たり前に思っていたこと、いつも遠く感じていた場所が、自分を如何に支え、深いところで関わっていたかを見つめ直された人も多くいらっしゃると思います。
青山ブックセンターでは、私たちが日頃接している「本」という存在を改めて見つめなおし、書物は連綿と受け継がれた先人たちの知恵や思いや葛藤が込められたひとつの「知恵の実」であるという原点に立ち返りました。

ブックフェアは、テーマ「知恵の実」に沿って、本の著者を中心に著名人に選書とコメントを寄せていただいております。
また各店それぞれ違ったアプローチの仕方で展開いたしますので、
各店を回遊していただくと、それぞれ違った「知恵の実」に出会えます。
選者のコメントは店頭だけでご覧頂くことができますので、ぜひ各店へお運びください。

ブックフェアタイトル:「知恵の実としての本〜青山ブックセンターブックフェス2011〜この本は本当にいい!!〜」
期間:2011年7月23日(土)〜8月20日(土)(本店のみ〜9月10日(土)
開催店舗:青山ブックセンター本店・六本木店・丸ビル店 

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【2】ブックフェス2011関連イベント 近日公開予定
●広川泰士×森本千絵「知恵の実トークイベント:家族・写真」 
●管啓次郎、古川日出男ほか「ろうそくの炎で本を読もう 知恵の実朗読会」 
●佐藤卓×岩井俊雄「知恵の実トークイベント:子ども・教育・アート・デザイン」
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●「知恵の実」トークイベント 広川泰士(写真家)×森本千絵(アートディレクター)
「家族・写真」
日時:2011年8月9日(水)19:30〜21:30(開場19:00〜)
予約受付開始日:2011年7月19日(火)10:00〜

●「ろうそくの炎で本を読もう 知恵の実朗読会」出演:管啓次郎、古川日出男ほか 
日時:2011年8月21日(日)夜
ほか詳細は確定次第、告知いたします。

●ブックフェス2011 〜この本は本当にいい!!〜「知恵の実」トークイベント
佐藤卓(グラフィックデザイナー)×岩井俊雄(メディアアーティスト)
「子ども・教育・アート・デザイン」

日時:2011年8月27日(土)18:30〜20:30(開場18:00〜)
予約受付開始日:2011年7月19日(火)10:00〜

上記3イベントは全て下記の開催要項となります。
会場:青山ブックセンター本店・カルチャーサロン

●参加方法・詳細
近日アップ予定

そして明日

明日(土曜日)の午後3時、池袋のジュンク堂の9階・芸術書売り場に来てください、ひまな人は。東直子さん、くぼたのぞみさん、そしてAyuoとぼくの朗読をやりますよ。司会はもちろん大竹昭子さん。

ひまでひまでたまらない人にお勧めの夏の土曜日の過ごし方でした!

Wednesday 13 July 2011

池袋ジュンク堂に行こう!

ジュンク堂池袋本店、いま最上階で、われらが大竹昭子さんのブックフェアを開催中です。

ぼくも3冊の選書で参加。ごらんください。

http://www.junkudo.co.jp/katarikoko.htm

牛たちが

みんな、このニュース見た? 胸が苦しくなるよ。牛たちは、どんな目に遭っても、人間が恋しいのか。それでパトカーだって、見つければ寄ってくるのか。被災したのは人間だけではない、すべての家畜、すべての野生動物、すべての植物、みんな。地球生命圏にもともとない技術を使うことは、深く、深くまちがっているとは思わないか?


接触:野生化した牛、パトカーに 福島・楢葉町

 東京電力福島第1原発事故で立ち入りが制限されている警戒区域の福島県楢葉町で牛の群れが県警のパトカーに接触する事故があったことが分かった。乗車していた警察官にけがはなかった。住民が避難時に放した家畜とみられる。
 県警によると、パトカーは10日夜、空き巣などの警戒のため楢葉町周辺を巡回中に牛に囲まれた。赤色灯をつけていると、牛が近づくことがあるというが、このパトカーが点灯させていたかは不明。
 同町を含む第1原発から半径20キロは震災直後に避難指示区域に指定され、畜産農家らは世話のできない牛を避難させていた。【蓬田正志】
毎日新聞 2011年7月12日 22時06分(最終更新 7月12日 22時51分)

Monday 11 July 2011

もうひとりは

そしてもうひとり、前半に古川さんとふたりでやっていたギタリスト=歌手は小島ケイタニーラブ。

http://www.keitaney.com/

いい声、おもしろいテイスト、ふしぎなユーモア。古川さんの朗読への間の手の入れ方が絶妙でした。彼も、またどこかで演奏を見たい。

松本じろ

昨日のギタリストは松本じろというのか。黒田育世さんのパートナーとして、ずっとステージを共にしているらしい。そんなことも知らなくて、ごめん。

しかしすばらしいギタリストだった!全体の構想力はすごいし、何より、リズムが非常に非常に正確だと思った。しろうとにいわれてもうれしくもないと思いますが。

こっちは勝手に注目します!

Sunday 10 July 2011

古川日出男+黒田育世

サラヴァ東京での古川日出男の朗読。強烈だった。2時間のあいだにどれだけの文字列が彼をかけぬけて、ほとばしり出ただろう。発火しただろう。そして、黒田育世の踊り。初めて見たが、物語に並走しながら瞬時の変貌をくりかえすそのダンサーの姿は炎だった、肉だった、出産だった。「人」が両手を広げると「火」。「炎」こそ出産の姿かも。

そして参加していたふたりのミュージシャンのすばらしさ。ギタリストのimaginativeな演奏は天啓だった。ギターって、やっぱりいいなあ。作家、ダンサー、ギタリストだけで、これだけのことができるのか。すごい。

ぼくの朗読はただ地味な短い詩をぼそぼそと読むだけなので、ちょっと考え直したほうがよかった。そのうち、何かの工夫を。

「核と未来」

東京外国語大学で開催されるシンポジウムです。ぼくは「miniポトラック」のため行けませんが、みなさん、ぜひどうぞ。

シンポジウム《核と未来》--------------------------------------------

GSL(東京外国語大学グローバルスタディーズ・ラボラトリー)では、以下の要領で《核と未来》をテーマとするシンポジウムを開催することになりました。



今回の福島第一原発の事故だけでなくチェルノブイリでも取材をリードしてきたフォトジャーナリストで『Days Japan』編集長の広河隆一さん、若い世代で独自の思想的批判を展開する萱野稔人さんをお招きし、われわれの側からは国際政治学の土佐弘之、経済思想の 中山智香子、そしてわたし(西谷)が討議に参加します。関心をおもちの方はぜひお運びいただけると幸いです。

日時:2011年7月16日(土) 15:00〜18:00
場所:東京外国語大学 研究講義棟226教室
ゲスト:広河隆一(Days Japan 編集長)
萱野稔人(津田塾大学)
討論者:土佐弘之(神戸大学)
西谷 修(東京外国語大学)
中山智香子(〃)


*全体を二つに分け、前半は広河さんの報告を軸に、後半は萱野さんの報告を軸に議論を行います。
*ustream配信、twittwe(genshiken_tufs)

[趣旨]
〈核〉技術は人間に無限の可能性をもたらすと言われてきました。けれども、この技術の出現によって人間の世界はどう変わったのか、その生々しい現実を私たちはいま目の当たりにしています。


活断層を制御できないように、自然の猛威を避けることはできません。それは現代の人間社会に組み込まれた〈核〉施設をも巻き込みます。にもかかわらず、日本の社会は、後先顧みず、〈安全〉のキャンペーンに漬かり、この「エネルギーの打出の小槌」を振ってきました。


しかし問うべきでしょう。〈核〉とは人間にとって何なのか。無限の可能性なのか、それとも出口のない災厄なのか。そして、何が、あるいは誰が、〈核〉を必要としてきたのか。


これまで私たちの前に透明に開かれていた〈未来〉は、いまやあらかじめ汚染され、不透明に覆いかぶさってきます。そのなかで人間は、御しがた く、限界を超えるものを、限界内に収めるべく日々の努力を続けてゆかねばなりません。いったん作り出してしまった放射性物質が人類よりも長い寿命をもつ以上、われわれの未来はいずれにしても「核との未来」です。では、どうしたら 〈明るさ〉を取戻すことができるのか。光を産むのは強烈な破壊のエネルギーだけなのか。目を晦ませ人を盲目にするまばゆい光のほかに、明るみをも たらす道はないのか。〈未来〉をいかにして生きうるものにするのか、それがいま問われている文明的課題です。


私たちは三年前、《核と現代》を討議する機会をもちましたが、それを継承しつつ、いまあらためて《核と未来》を論じようと思います。

mini「ことばのポトラック」

ことばの出前というコンセプト? 16日、ジュンク堂池袋店で。書店の本棚のあいだで、そっと読む感じでしょうか。14時からの大竹昭子さんと森山大道さんの対談につづいて、その場ではじまります。ふと、通りかかってみてください。


【mini ことばのポトラック開催】
作家・詩人・アーティストによる朗読と演奏のミニ・イベント

司会:大竹昭子(作家)
参加アーティスト:管啓次郎×東直子×AYUO×くぼたのぞみ

■2011年7月16日(土)15:00~16:00
■9F芸術書コーナーにて

◎参加無料
◎予約不要。当日参加可能。

お問い合わせ先:
ジュンク堂書店 池袋本店 TEL. 03-5956-6111 FAX.03-5956-6100

Friday 8 July 2011

「星の王子イベント」終了

7月6日、青山ブックセンター六本木店での『星の王子さま』をめぐるイベント。小池昌代さんとの対談を中心に40分。30人ほどのお客さんとともに、楽しくなごやかなひとときで、サン=テグジュペリくん111歳のお誕生日を1週間遅れで祝うことができました。

「王子」新訳をめぐるいくつかのポイントを話し合ったのち、朗読劇「きつねと王子の出会い」の上演! 配役は、きつね=小池昌代、王子=安田沙絵、語り手=ぼく。これはみなさんに楽しんでいただけたと思います。小池きつね(いちばんせりふが多かった)の熱演を録音しておかなかったのが残念。

ぼくの新訳についても、西原さんの絵についても、まっぷたつに割れた反応をいただきつつあります。内藤訳が自分にとっての王子になっている人には、ぼくの訳はがまんできないものみたいだし、原作者のイラストに愛着を覚える人にとっては、西原さんの絵は言語道断みたいだし。

でもね、そのように派生物を生み出しながら成長してゆくのが作品の栄光。世界に対する集合的想像力は、それだけ確実にゆたかになっています。

気がむいたら、手にとってみてください。

Wednesday 6 July 2011

玄海原発の再稼働に反対します

町長が同意しようが知事が同意しようが、生命が同意しない。山川草木が同意しない。原発を人類史の過去のエピソードにしよう。

ろうそくの炎で本を読もう~月夜の朗読会@OYOYOまち×アートセンターさっぽろ

8月6日からのWALKING展に先立ち、あたかもその前夜祭のように、こんな朗読イベントが札幌市内で開かれます。

http://lemurmuredesbougies.tumblr.com/

『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)の完成後最初のイベントになります。本の発売は8月8日。

みんな、ぜひこの夏は札幌へどうぞ!

モエレ沼でのWALKING展、近づいてきました

あと、ひと月。詳細は以下をどうぞ!

http://www.sapporo-park.or.jp/moere/event/?p=201

これもまたふるさと

上の集合写真。3日の第3回「ことばのポトラック」<ことばという橋をわたって>の出演者一同です。

国もいろいろ、ことばもいろいろ、ただ小さな橋を日々わたって生きるだけ。そんな姿勢を共有する友人たちとの、あっさりと会っては別れる集いこそ、ぼくのほんとうのふるさとかもしれません。

Ayuo の新曲集

6月26日(日)の公園通りクラシックスでのAyuoのコンサートから。新曲が聴けます。

"Ayuo - Voices in the Wind -REMIX HULA DANCE VERSION"

http://www.youtube.com/watch?v=vJ29uJrLCwc

"Ayuo - Voices in the Wind - A Prayer for Those Swept Away By the Sea"

http://www.youtube.com/watch?v=2CNF6HW6iOs&feature=related

Ayuo - I Want You (Erik Satie's Je Te Veux's melody recomposed)

http://www.youtube.com/watch?v=5mSZEISpYtA&feature=related

Ayuo - This Moment, I Wish It Could Last Forever

http://www.youtube.com/watch?v=4Eks4mXQoV0&feature=related

Ayuo - John Cage - Forever and Sunsmell

http://www.youtube.com/watch?v=rrCWn3S1z5o&feature=related

Tuesday 5 July 2011

この本を薦めます

日本ヴィジュアル・ジャーナリスト協会編『3・11メルトダウン』(凱風社)。独立して仕事をしている映像・写真ジャーナリストのみなさんの渾身の一冊です。この本を手がかりにして想像できるかぎりのことを想像しよう。その背後の土地を真剣に想像しよう。

ハイチの持続的取材で知られる佐藤文則さんも参加しています。

Saturday 2 July 2011

「水牛のように」7月号

「水牛のように」更新されました。

http://www.suigyu.com/sg1107.html#04

「犬狼詩集」35、36を掲載していただきました。また月始めのご挨拶で、『星の王子さま』の紹介もしていただきました。八巻美恵さん、いつもありがとうございます!

ぜひ見てください!

アーツ千代田3331での公開制作、予想をはるかに超えて、満足のゆく出来映えになりました。

http://www.3331.jp/

村山修二郎の「緑画」に、敷地内で採集したアオキの葉っぱで文字を書いてゆきました。3時半にはじめ、16行詩ひとつを書き終えたのが5時半。指はアオキの汁で真っ黒に染まり、人差し指の爪がすっかり磨り減り、中指の皮が剥けるありさまでしたが、その甲斐はありました。

7月10日までの展示。そのあとは消えてなくなります。ぜひごらんください。場所もほんとにいいところです。制作を見に来てくれたみなさん、ほんとうにありがとうございました!