Tuesday 3 November 2009

満月とハクビシン

満月の論理に一般と特定の区別はない
眺める人の心に月影の紋様が浮かぶだけ
ネットワークは幾何学的に発生し
ときどき氷のように光が凝固する
たくさんの団子をすすきとともに供えてみた
ハクビシンの親子が物欲しげに見るのを
ウクライナ人の老女がけらけら笑いながら見ている
秋のこの時期こそ祭礼の夜
循環する時間が声のように聞こえてくる
楽しいね、楽しかったね、楽しいね
もう来ないね、また来るさ、また来るよ
荒城に登りて楼閣を燃やし
それを松明として以て絶対的な持続を照明するのみ
輝けよ縞の尾
きらめけよ妖しい鼻
満月の無垢が砕け散りたくさんの団子となる