Monday 29 December 2008

本棚問題

本を片付ける場所がなくて大掃除も手がつけられない。あきらめたとき、雑誌「エスクワイア」の本棚特集。おもしろい。

何人かの人の書斎が紹介されているが、かっこいいのは布施英利さん。湯河原の元旅館だった建物を改造して住んでいるというのだが、「本を4冊まで並行して読めるように作り付けた、特製読書机」がいい。

このアイデアはぼくも昔からもっていて、ぜんぜん実現できず。あっさりやられて、うらやましい。ぼくがあと欲しいのは立ち机。ジッドのようにヘミングウェイのように、立ったまま仕事をしたい。これもいまだ実現せず。

さらに「偉人の本棚」と題した8人の故人の本棚。7人まではすぐわかったが、第7番の人がわからない。あるのは百科事典と「日本現代詩大系」。西脇順三郎関係の数冊、『百鬼園戦後日記』など。かなり自分に近いのに、「15歳で『Ambarvalia』に遭遇」というヒントを読んでも、ぜんぜん思い至らず。

答えを見て、「あっ」と思った。なんということだ。慚愧に耐えず。どうも脳の一部が破壊されてしまったようだ。

それはともかく、宇野澤くんのために藤浩志さんが作ってくれた鹿児島の本棚(これも元旅館だった建物に設置されている)は、この特集のどれにくらべてもまったく遜色がないことは確実だ。

とはいえ、究極的には、蔵書なんて何を考えているかとは無関係だし、ひとりひきこもる場所がなくてもいい仕事をする人はいくらでもいる。本棚、それはひとつの箱で十分かも。書斎を捨てて、外で仕事をする道を探ろうか。公立図書館の驚くベき平等性に賭けようか。